正捕手を狙う20歳「課題は全部」 高卒2年目で規定到達、球宴出場も「きつかった」

ロッテ2年目・寺地、シーズン最終戦は4番で1安打
大ブレークした20歳の逸材は全く満足していなかった。ロッテ・寺地隆成捕手は5日、ZOZOマリンスタジアムで行われたソフトバンク戦に「4番・指名打者」で先発出場。4回に中前打を放ち、2打数1安打で今季の全日程を終えた。高卒2年目で116試合に出場した充実のシーズン。大きな飛躍を遂げた1年を振り返った。
「できたこととできなかったことがあって、しっかり課題も見つかりました。自分もこうやってしっかり打てるんだということがあったので、いい経験をさせてもらった1年間でしたね。もっと打てたな、という感じはあります。自分の中でもまだまだこんなもんじゃないと思っているので、来年は今年以上の成績を残すために、もう1回しっかりやっていきたいです」
明徳義塾高から2023年ドラフト5位で入団。1年目の昨季は2軍で104試合に出場してイースタン・リーグ2位の打率.290と片鱗を示した。10月には1軍初昇格してプロ初打席で二塁打。シーズン最終戦ではスタメンマスクも経験した。
2年目の今季は開幕1軍。シーズン当初は出番が少なかったものの、4月は13試合に出場して32打数11安打で打率.344をマークした。徐々に出場機会を増やし6月には2番に定着。正捕手の座をつかみ、監督推薦で球宴初出場も果たした。他球団の厳しいマークをはねのけて躍動。ただ、激務のポジションだけに「交流戦やオールスター前ぐらいは、ちょっときつかったです」と振り返る。
一時は打率2割7分台でリーグ10傑に入っていたが、終盤はやや失速して打率.256でフィニッシュ。「シーズン最後の方はDHが多かったので特に疲れはなかったです」。相手の研究も進み、簡単に甘い球は来ない。課題について「ミスショットが結構多かった気がする。甘い球を1球で仕留めきれない。真っすぐでもファウルにしてしまうところは、これからの改善点だと思います」と説明した。
内野手用グラブでノック「一歩目を素早く出せるように」
それでも2安打した9月30日の楽天戦(ZOZOマリンスタジアム)で規定打席に到達。「うれしいなぁって感じです。(打席に)立たせていただいたので感謝します」と起用を続けてくれた首脳陣に感謝した。
打撃のさらなる向上へ「凡打の内容もいい方向に持っていけるようにしたい」と言及。「(凡打が続くと)調子悪いのかなと勝手に決めつけてしまう自分もいるので、来年はアウトのなり方もしっかり見つめ直してやっていきたい。最低限、捉えた当たりのゴロ、ライナーやフライを出していきたい」と見据える。
捕手としては納得できていない部分が多い。「課題は全部です。配球、スローイング、ブロッキング、キャッチング。そういうところを見つめ直せた1年間でした。オフにしっかり取り組んでいかないといけない」と力を込める。
今年は怪我で出遅れた佐藤ら、正捕手を争うライバルは多い。「来年また一からのスタート。捕手というポジションは1つしかないので、しっかり割り込んでいけるようにやっていきたい」。結果を残しても慢心はない。
現在はミットだけでなく、内野手用のグラブも使ってノックを受けるなど内野守備の練習も行っている。「足の動きを、捕手の動きにつなげるためにやっています。捕手としてのバント処理とか、一歩目を素早く出せるようなイメージを持って取り組んでいます」。もっと上のステージへ。貪欲にさらなる飛躍を目指していく。
(尾辻剛 / Go Otsuji)