大谷翔平、MVPトロフィー“返却”の舞台裏 前日から置かれ…36歳リーダー感激「クール」

ロハス「昨日球場に来た時にはトロフィーが置いてあったんだ」
リーグ優勝から3日後のドジャース・クラブハウス。大谷翔平投手がブルワーズとのリーグ優勝決定シリーズで受け取った「MVPトロフィー」が中央に置かれていた。トロフィーの下部に記される名前部分に「Shohei Ohtani」の文字はない。「TEAM EFFORT(チームの成果)」と記されたプレートが置かれていた。
ポストシーズンでは打撃不振に苦しんだものの、投打同時出場した17日(日本時間18日)の第4戦で7回途中10奪三振無失点の好投。バットでは史上11人目の1試合3本塁打を放つなど異次元の活躍を見せ、シリーズMVPをかっさらった。ただ、シリーズMVPを受賞した思いは淡々としたものだった。
「みんなを代表して、これをもらっていると思っている。本当に全員で勝ち切ったものだと思うので、あと4つ全力で勝ちに行きたい」。今回のトロフィー“返却”はその思いの表れだろう。
MVPトロフィーはチームがワールドシリーズへの練習を再開した前日19日(同20日)からクラブハウスに置かれていたという。36歳のチームリーダー、ミゲル・ロハスがトロフィー返却の舞台裏を語ってくれた。「昨日、球場に来た時にはトロフィーが置いてあったんだ。ショウヘイは何も言っていないので分からないけど、彼のアイデアはクールだよね」。大谷の思いはチームメートには嬉しかったようだ。
ワールドシリーズ開幕を4日後に控え、チームはア・リーグ優勝決定シリーズ第7戦・ブルージェイズ-マリナーズ戦の模様を電光掲示板に流しながら約2時間の練習を行った。シリーズMVP会見では笑顔一つ見せなかった大谷について、ロハスは「うれしくなかったことはないと思うけど、『まだやることがある』っていう気持ちだったんだと思う」と語った。個人的な栄誉には興味がない。今世紀初の世界一連覇を勝ち取る覚悟なのだろう。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)