“大谷超え”でも届かなかった夢の舞台 遠かった8死…ロッカーで流した涙「ただただ失望」

本塁打を放ったマリナーズのカル・ローリー【写真:ロイター】
本塁打を放ったマリナーズのカル・ローリー【写真:ロイター】

5回にPS5号…レギュラーシーズン合わせて65本塁打

【MLB】Bジェイズ 4ー3 マリナーズ(日本時間21日・トロント)

 あと1勝、あと8アウトが遠かった。マリナーズは20日(日本時間21日)、敵地でブルージェイズとのア・リーグ優勝決定シリーズ第7戦に逆転負けを喫し、球団史上初めてとなるワールドシリーズ進出を逃した。試合後のクラブハウス。大黒柱カル・ローリー捕手は目を真っ赤にしながら「ただただ失望している」と力なく話した。

 勝てば球団創設49年目にして初のワールドシリーズが懸かった大一番。フリオ・ロドリゲス外野手が3回に勝ち越し弾を放ち、今季メジャー最多60本塁打を放ったローリーも5回に今ポストシーズン5号となるソロを放った。レギュラーシーズンと合わせての65本塁打は、ア・リーグ新記録と再び歴史に名前を刻んだ。

 しかし、足りなかった。7回に1死二、三塁の場面でジョージ・スプリンガー外野手に痛恨の3ランを浴びた。ローリーはマスク越しに打球をただただ眺めるしかなかった。3-4で迎えた9回2死、ネクストバッターズサークルで自身の打席に備えた。フリオが出塁すれば――最後はフルカウントからのボール球を振らされ、自身の打席を迎えることなく敗退を見届けるしかなかった。

 失意に溢れたマリナーズのクラブハウス。ローリーは報道陣の取材に応じ、「最悪だよ。辛いね。どうすればよかったか考えている。(この)試合もっといい戦いができた場面は何度もあったし、シリーズを通してもだ。ただただ失望している」と落胆の言葉を話した。ネクストバッターズサークルでは「いつもと同じように、(流れや)チームを落ち着かせようと思っていた。そして、自分のやるべきことに集中していたよ」という。

 ローリーの活躍もあって、マリナーズは2001年以来の地区優勝を成し遂げた。タイガースとの地区シリーズは延長15回の死闘を制し、3勝2敗で突破。リーグ優勝決定シリーズでも先に王手をかけた。「彼らのことをとても誇りに思っている。チームが団結した(結果)。ここにいる全員のことが好きだけど、結果的に私たちが望んでいた通りにはならなかった」。再び流れそうになる涙を必死でこらえながらローリーは語った。

「失敗という言葉を使うのは嫌だけど、これは失敗だ。ワールドシリーズ進出、制覇することを期待していた。それが目標であり、基準だった。その責任を果たしたかったけど……辛いね。でも、ここにいる全員のことを誇りに思っている。最後まで戦った。素晴らしいチームメートだし、全員のことを愛している」

 歴史にも記録にも残ったマリナーズの2025年シーズンは、トロントの地で幕を閉じた。

(Full-Count編集部)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY