独立Lにいた20歳&157キロの“怪物” 米スカウト注目も「NPBでやりたい」と語るワケ

高卒2年目、徳島IS・篠崎国忠投手 タマスタ筑後で無四球、無失点「いけた!」
昨秋まで所属選手が12年連続でドラフト指名をされている四国アイランドリーグPlus・徳島インディゴソックスでは、今年も10選手に調査書が届いた。さらに高卒2年目の篠崎国忠(しのざき・くにただ)投手には、MLBのスカウトも視察に訪れている。持ち味は、身長193センチから放つ、三振を奪えるストレート。球速は今年の同球団投手陣で最も速い157キロをマークしている。
東京・修徳高を卒業し、2024年に入団したが昨季は2試合だけの登板。シーズン中にスカウトに注目されている選手や、同年秋のドラフト会議で指名された、加藤響内野手(DeNA3位)、中込陽翔投手(楽天3位)、工藤泰成投手(阪神育成1位)、川口冬弥投手(ソフトバンク育成6位)を見て、独立リーグからNPBへステップアップするには「やっぱり身体を大きく、強くしないといけないね」と感じた。
体重は入団当時より7キロ増え、現在は107キロ。「オフシーズンと今年とウエートトレーニングをやってきて、今はしっかり(NPB入りを)目指せるとこまできたと感じています」と自信に満ちた表情だ。7月27日にタマホームスタジアム筑後で行われたソフトバンク3軍との交流戦では大きな手応えを掴んだ。
6回からリリーフし、球速は当時最速の155キロを記録。「真っすぐだけじゃなくフォークで三振を取ることもでき、フォアボールなし。ヒットは2本記録されていますが、ちゃんと打たれたのは1本だけ。うん、いけた! というか。自分が一番求めている試合ができました」。プロ相手の登板で好感触をつかんだ。

MLBのスカウトも注視「日本の野球をもっと身につけてから、そういう場所に」
その日からは右肩上がりの成長が続いた。球速はわずか2年で9キロ上昇。これからの進路については「メジャーでやってみたい気持ちはありますが、アメリカのチームとマイナー契約をするよりも、今はNPBでやりたいと思っています」。落ち着いた様子で話し、さらに言葉を続ける。
「僕は日本が1番いい野球をしていると思っています。見ていて楽しい。メジャーは弱点も身体能力でカバーできてしまう。それもまたレベルが高く、面白みがあると思いますが、日本は努力で身体能力の差を埋めて、弱点を克服していく。そういう所が僕的には魅力的で。もしアメリカに挑戦するなら、日本の野球をもっと身につけてから、そういう場所に行きたい」
日米が注目する右腕の目標は「指名された球団の顔になること。チームで1番の選手は誰? と言われたときに、名前があがる選手になりたいです」。まだ20歳。伸びしろ十分の好素材が、ドラフト指名を待つ。
(喜岡桜 / Sakura Kioka)