競合指名の裏で一本釣りで大成功…2015年ドラフトから10年 明暗分かれる“現在地”

元阪神・高山俊、元ソフトバンク・高橋純平、西武・平沢大河(左から)【写真:荒川祐史、藤浦一都、小池義弘】
元阪神・高山俊、元ソフトバンク・高橋純平、西武・平沢大河(左から)【写真:荒川祐史、藤浦一都、小池義弘】

高橋純平に最多3球団が競合…タイトルホルダーも多数

「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」が23日、都内のホテルで行われた。新たにプロの門を叩くことが決まった“初々しい”選手たち。10年前にもまた、115人の選手がプロ入りを決めた。10年の歳月を経て明暗分かれた2015年ドラフト。メジャーでも活躍する選手を多数輩出したこの年のドラフト会議を振り返ろう。

 この年のドラフト1巡目では、高橋純平投手(県岐阜商)が3球団、高山俊外野手(明治大)と平沢大河内野手(仙台育英)が2球団で競合。高橋のクジを外した中日と日本ハムが小笠原慎之介投手(東海大相模)に外れ1位で競合した。平沢の指名権を獲得できなかった楽天はオコエ瑠偉外野手(関東第一)を指名した。1巡目指名では高校生が3人、大学生が9人だった。

 競合の裏で5球団が一本釣りに成功。中でもDeNAの今永昇太投手(駒沢大)、オリックスの吉田正尚外野手(青学大)の指名は大成功だった。NPBでともに活躍し、メジャーに大型契約で移籍した。また、小笠原も昨年から海を渡った。阪神5位指名を受けた青柳晃洋投手(帝京大)も昨オフにメジャーに移籍したが、登板せぬまま今年7月にヤクルトに加わっている。

 また、2015年ドラフトはタイトルホルダーを多数生んだ年でもある。今永は最多奪三振、吉田は首位打者&最高出塁率を2回ずつ、富士大から西武1位指名の多和田真三郎投手は最多勝、青柳は2022年に投手3冠を達成するなど計5タイトル、そしてオリックス10位の杉本裕太郎外野手(JR西日本)が2021年に本塁打王に輝いた。

 10年が経った今でも一線で活躍する選手もいるが、戦力外通告を受けてNPBを退き、または現役を引退する選手も少なくない。3球団が競合した高橋は2019年に中継ぎエースとして活躍するも、故障にも悩まされ、2023年オフに戦力外に。その後はソフトバンクの球団職員として第2の人生を歩んだ。多和田は2019年に自律神経失調症を患い、2021年限りで西武を退団している。

 他のドラフト1位組では、大商大から広島に入った岡田明丈投手が2024年に戦力外通告を受け、明治安田硬式野球部に活躍の舞台を移した。巨人1位の桜井俊貴(立命館大)は2024年から社会人野球・ミキハウスに入った。また、ヤクルト1位の原樹理投手(東洋大)は今年10月に戦力外通告を受けている。

(Full-Count編集部)

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