1年時150キロ計測も…大阪桐蔭の名将が感じた焦り 「プロまで導かなきゃ」潜在能力は“無限大”

大阪桐蔭からは8年連続指名となった
可能性を秘めた“逸材”がプロの扉を叩く。東京都内で行われた「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」で23日、大阪桐蔭の森陽樹(はるき)投手がオリックスから2位指名を受けた。全国屈指の名門から羽ばたく右腕は、「素直にほっとした気持ちが一番です。頼むからかかってくれという気持ちで待っていました」と、安堵と喜びが入り混じる表情で語った。
最速153キロのストレートを誇る森は、1年秋からベンチ入り。そして151キロを計測し、一躍注目を集めた。2年時には春、夏と甲子園に出場。2年秋は背番号1をつけ府大会準優勝。3年夏は背番号10を背負い、府大会準決勝と決勝で先発したが甲子園には届かなかった。
それでも190センチ90キロと恵まれた体格と、圧倒的なポテンシャルは一級品。西谷浩一監督は「まだまだ持っている力の半分以上も出ていない。これだけの体もありますし、無限大の力を持っている」と、際立つ才能に期待を寄せるほどだ。
西谷監督は、入学した当初「田舎から出てきておっとりしているというか、甘いところもあった」と懐かしみながらも「預かった時点でプロまで導かなきゃいけない子だなと思っていました」と使命感を抱いていたという。「優れた能力はありましたので成長の速度を上げたくて、焦った時もありました。逆にこんなこともできるようになったかと思う日もありました」。“逸材”の成長過程は印象的だった。
森自身も、恩師への感謝を忘れない。「野球以外の部分で、私生活や考え方、取り組み方の部分で指導されることがあったのですごく感謝しています」と語り、厳しくも愛情深い3年間を振り返った。
プロ入り後は「投手の一番大きなタイトル。それを取りたいとずっと思っていました。将来は沢村賞を取りたいです」ときっぱり。「プロの舞台では自分がこの世代でいえば最終的に1番だったなと思わせるようなプロ野球選手になりたい」と大きな夢を掲げた18歳。名将が“無限大”と称した潜在能力は、これからの成長次第でどこまでも広がる可能性を秘めている。
(木村竜也 / Tatsuya Kimura)