中日・井上監督「なるほどね」 握手の瞬間に確信…大学屈指ドラ1右腕の“凄み”

1位の青学大・中西へ指名挨拶
中日・井上一樹監督は23日、東京・青学大の青山キャンパスを訪れ、「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」で1位指名した中西聖輝投手に挨拶を行った。会見場で対面し、握手した瞬間に大学屈指のポテンシャルに納得したという。
中西は最速152キロの本格右腕で、智弁和歌山高時代には夏の甲子園で全国制覇を経験。その後、右肘の内側側副靱帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受けたが、リハビリを経て復活。2、3年時には全日本大学野球選手権連覇を経験。4年春のリーグ戦では9試合に登板し3完投で6勝2敗、防御率1.41。70回1/3を投げて87三振を奪うなどMVPに選出された。スライダー、フォーク、チェンジアップ、カーブのどれも一級品だ。
指名挨拶に訪れた井上監督は中西とガッチリと握手。その後の取材対応で「握手をしてすごく感じたのは、手が大きいねと思って。確かにいろんなボールを操るというところを考えた時に、なるほどねと思いました。体格(182センチ、90キロ)も素晴らしいので、これは期待できるなって印象です」と頼もしそうに語った。
中西の魅力について井上監督は「シーズンで好不調はあったのだろうけど、大崩れしない。強いチームでエースとして投げてきた」とゲームメークの能力を評価。高校、大学と日本一を経験していることも「厳しい中で鍛え、揉まれて、そして野球をすごく学んできている選手なんだなというところが僕の中では選ばせてもらった一番ポイント」と明かした。
大学屈指の即戦力だが単独指名での“一本釣り”に成功した。井上監督といえば昨年のドラフト会議で、4球団競合の末に金丸夢斗投手(関大)を抽選で引き当てた。就任直後の大仕事で派手なガッツポーズを作った際に左肩を脱臼するという前代未聞のアクシデントにも見舞われた。
「去年ね、ああいう事件ありましたから。今年は中西君が抽選だったとしても、(くじを当てても)“はにかみ”ぐらいで終わろうかなと思ってね。カメラに向かってニカッてするぐらいにしようと思っていたんですけども本当に運が良かったですね。ありがたい限りです」と自虐ネタで笑わせていた。逸材との交渉権を獲得し、終始ごきげんの様子だった。
(湯浅大 / Dai Yuasa)