巨人ドラ2→近鉄右腕の松谷竜二郎氏 異国に架ける100本の橋…掲げる思い「恩返し」
巨人や近鉄でプレーした松谷竜二郎氏【写真:北野正樹】巨人、近鉄でプレーした松谷竜二郎氏
巨人、オリックスバファローズOBで、2軍戦のオリックス選手にMVP賞を設けて若手を支援している総合企業「スチールエンジホールディングス」の松谷竜二郎代表取締役が、ベトナムの生活道路に橋を100本架けるプロジェクトを進めている。
「年間、2本ずつくらいやって50年かかりますが、僕がいなくなった後も誰かが引き継いでくれたらいいと思っています」。9月下旬、表彰のために訪れた杉本商事Bs舞洲で松谷さんが静かに口を開いた。
松谷さんは、大阪府出身。大阪市立高校(現・大阪府立いちりつ高校)から大阪ガスを経て、1988年ドラフト2位で巨人に入団した右腕。3年目の1991年に初先発した5月22日のヤクルト戦では1失点で完投勝ちし、2戦目も完投勝利を挙げた。しかし、右肩を痛め、移籍した近鉄でも1996年の1勝にとどまり、通算59試合登板、4勝4敗1セーブでプロ生活を9年で終えた。
100本を目指し賛同企業や団体を募集中
現地調査を経て、地元の民間会社に設計と施工を依頼し、2024年3月に最南部地区のメコン川南部のメコンデルタに第1号の橋が架かった。2025年には第三者的な視点を求めて国立ホーチミン市工科大学とパートナーシップ契約を締結し、産学協同でプロジェクトが進むことになった。
橋は幅3メートル、長さ30メートル。手すりのついた丈夫な橋が架けられたことで子どもたちの通学路が確保され、遠回りすることなく学校に通えることに。規模としては小さい橋だが、経済発展につながる大きな橋の建設が優先されるため、生活に密接する小さな橋は後回しになるそうだ。架かった橋は小さいが、地域に大きな安心と安全をもたらした。
「橋があることで、子どもたちがより質の高い教育を受けることができるようになりますし、命を落とす子どもたちも減ります。微力ですが、ベトナムに恩返しをしていきたい」と松谷さん。100本を実現するため、賛同してくれる企業や団体を募集中。プロジェクトを成功させるためにも、社業の発展は欠かせない。
(北野正樹 / Masaki Kitano)
