見慣れた連打、そして炎上…トライネンに何が? 殿堂入り右腕が見た「効果的ではない」球種

直近3シーズンは防御率1点台も…今季は大不振
【MLB】Bジェイズ 6ー2 ドジャース(日本時間29日・ロサンゼルス)
汚名返上のマウンドとはならなかった。ドジャースのブレイク・トライネン投手は28日(日本時間29日)、ブルージェイズとのワールドシリーズ(WS)第4戦の7回途中から登板するも、2安打を浴びて背負ったランナーを生還させた。直近3シーズンは防御率1点台だった右腕にいったい何が起きているのか。米放送局が分析している。
大谷翔平投手が「1番・投手」で投打同時出場し、7回に連打を許して降板した。後を継いだアンソニー・バンダ投手だったが、ヒメネスに適時打、1死からフランスの内野ゴロの間に2点目を失った。これ以上の失点を阻止すべき、2死一、二塁の状況で起用されたのがトライネンだった。
2023年は故障で全休したが、2021~2022年、そして昨年は防御率1点台を誇った信頼の置けるリリーバー。しかし今季は乱調で、特に9月は12登板で防御率9.64、5敗、WHIP2.25と大不振だった。ポストシーズンでも状態は上がらず、WS第4戦前の8試合で防御率9.00となっている。
しかし、この日もダメだった。ビシェット、バージャーに連続適時打を浴び、点差を5点に広げられた。トライネン自身の自責点はつかなかったが、あまりに重たい失点だった。米放送局「FOXスポーツ」では殿堂入り右腕のジョン・スモルツ氏が解説を務め、トライネンの不振の理由を分析した。
「ブレイク・トライネンが100%の状態じゃないと、(普段は)落差のあるシンカーはあまり効果的ではありません。(シンカーの軌道は)打者の手元でごくわずか変化し芯を外すのですが、それがないのです。それが(好調の時との)違いです」とした。シンカーとスイーパーの2球種が軸とあって、片方が機能しなければ苦しい投球になるのは納得のところだ。
一方でトライネンは試合後、ビシェットの失投を悔やみつつも「今日はいい球を投げられていたと思う」と手応えも口にした。果たして自信は本物か。最大でも残り3試合。ベテランの復調に期待したい。
(Full-Count編集部)