大谷翔平の初黒星で際立ったド軍の“アキレス腱” 世界一連覇へ欠かせぬ守護神起用

Bジェイズ戦に登板したドジャース・大谷翔平【写真:荒川祐史】
Bジェイズ戦に登板したドジャース・大谷翔平【写真:荒川祐史】

前夜は延長18回の死闘…大谷は6回まで90球も迷わず7回続投となった

【MLB】Bジェイズ 6ー2 ドジャース(日本時間29日・ロサンゼルス)

 疲れていないわけがない。ドジャース・大谷翔平投手は1点ビハインドの6回に3者凡退に。2死からカークを外角スイーパーで空振り三振に仕留めてベンチへ下がったが、明らかに肩で息をしていた。

 最速99.0マイル(約159.3キロ)止まり。フォーシーム平均97.5マイル(約156.9キロ)は年平均から0.9マイル(約1.4キロ)ほど遅かった。前夜は延長18回、6時間39分の死闘。しかも試合中には右足を痙攣(けいれん)とコンディションは万全でなかった。

「2時くらいにベッドには行きました。それなりに睡眠は取れましたし、昨日は長い試合でしたけど、なるべく寝られるようには努めました。それなりの体調でマウンドに行くことができた」。敗戦後にこう語ったが、この日は気温29度と季節外れの高温。ブルペン投球から汗を拭うシーンが見られた。厳しい環境の中で6回までに90球。6回を投げ切ったところで交代という選択肢はなかったか。

 結局、7回無死二、三塁のピンチを招いた場面で降板となった。ロバーツ監督は継投のタイミングについて、「6回の時点でマーク(プライアー投手コーチ)が『あと、どれくらいいける?』と聞いたところ、『あと3イニングいける』と答えたそうだ。6回も今夜最高のイニングだった」と説明。6回2失点で降板させる選択肢はなかったという。だが、仮にブルペン陣が充実していたら……。前夜は9人のリリーバーを投入しただけに、ドジャース首脳陣としても大谷に1イニングでも投げてもらいたいのは明白だった。

 ドジャースのアキレス腱とされてきたリリーフ陣は、このポストシーズンで守護神・佐々木朗希を据えて打開を図ったが、依然として不安要素であることに変わりはない。

「もちろん全試合必要であれば準備したい。昨日みたいに延長戦に入ってなかなか決まらない試合もあるかと思うので、いつでも行けるように準備したい」。今世紀初のワールドシリーズ連覇へは、リリーバー・大谷は必要不可欠な存在になりつつある。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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