オリックスジュニアに羽田耕一氏の孫が選出 祖父が率いたチームで「団結して戦いたい」

オリックスジュニアで監督も務めた羽田耕一さんの孫
オリックスのジュニアチームに、近鉄で強打者として活躍しオリックスでジュニアチームの監督を務めたことのある羽田耕一さんの孫、羽田庄里君が捕手として今年のオリックスジュニアに選出された。
「おじいちゃんが監督をしていたチームに入ることができてうれしい。チームの絆を大切して、団結して戦いたいと思います」。“Buffaloes”のロゴが輝くユニホームに身を包んだ庄里君が目を輝かせた。
庄里君は、佃ホワイトスターズに所属。「NPBジュニアトーナメント KONAMI CUP 2025」(12月26~29日、神宮球場・横浜スタジアム)に出場する「オリックス・バファローズジュニア」のメンバー16人に選ばれた。
羽田さんは尼崎市出身。三田学園高(兵庫)から1971年ドラフト4位で近鉄に入団。強打の内野手として活躍し、1979年には球団初のリーグ優勝に貢献した。この年の広島との日本シリーズでは第7戦の9回裏に江夏豊投手から先頭打者として安打で出塁。のちに語り継がれる「江夏の21球」のきっかけを作ったことでも知られる。1974年には2試合にまたがり4打席連続本塁打を放ったほか、1980年の30本塁打を含め通算225本塁打を記録した。
1989年に現役引退後は、近鉄で打撃コーチなどを務め、球団統合後はオリックスの少年野球教室「オリックス・ベースボール・アカデミー」校長に就任。2006年から初代監督のバルボンさんの跡を継ぎ、2014年までオリックスジュニアの指揮を執った。森友哉捕手(オリックス)がメンバーだった2007年の第3回大会では優勝に導いた。教え子には森のほか藤原恭大外野手(ロッテ)らがいる。
庄里君は、羽田さんや関西国際大の外野手としてプレーした父、和弘さんの影響を受け、小学1年から野球を始めた。低学年の頃には、同居する二世帯住宅の庭で羽田さんからティー打撃のボールを投げてもらったこともある。
「背が高くて、やさしいおじいちゃん」という羽田さんから教わったのは、「バットを振った後の形を大事にすることと、フライを打たずライナーを打つこと」だという。現役時代のことはあまり知らないが、4打席連続本塁打は羽田さんから聞いており「すごいなと思います」。目指すプロ野球選手は、森。「打てて守れて、チームを勝たせることができるところに憧れます」という。
練習試合に必ず顔を見せるという羽田さんは「選抜チームだからこそ、他の選手のよい点を学び、チームワークで一丸となって戦うことを体験して楽しくプレーしてほしい」と優しい視線を注ぐ。
チームは9月末に発足し、いずれも球団OBで球団コミュニティーグループと事業運営部に所属している塩崎真監督、吉田直喜コーチ、山本和作コーチ、濱田安耶香マネジャーが指導。塩崎監督は「まだ練習試合を通して、ポジションの適性を確認している段階。リーダーシップを取れる選手もいますし、元気のいい選手が多いのが今年のチームの特徴です」。羽田さんが監督時代の2007年以来、18年ぶり2度目の頂点を目指す。
〇北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者一期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。
(北野正樹 / Masaki Kitano)