“影のMVP”が見せた至極の野球IQ 勝敗分けた声…あまり語られぬ好プレー

9回に凝縮された野球IQの真髄…見逃せないプレー
【MLB】ドジャース 3ー1 Bジェイズ(日本時間1日・トロント)
ドジャースは10月31日(日本時間11月1日)、敵地で行われたブルージェイズとのワールドシリーズ(WS)第6戦を3-1で制し、通算3勝3敗のタイに戻した。山本由伸投手の快投はもちろん、9回にジャスティン・ディーン外野手が見せた好判断が大きく勝利に貢献した。実はその直前。エンリケ・ヘルナンデス内野手の隠れた好プレーがあった。
2点リードの9回、ドジャースは佐々木朗希投手が死球で先頭を出すと、続くバージャーに左中間を破られる長打を浴びた。すると、打球はフェンスにすっぽりはまった。バージャーは本塁まで激走したが、審判団はエンタイトル二塁打と判定。その後、1死からキケが左飛を捕球後に二塁へ好返球。併殺を完成させて辛勝した。
28歳ルーキーのディーンは主に守備固めでの出場ながら、土壇場でボールを“見送る”好判断を見せた。試合後には「フェンスに跳ね返るのを待つ体勢を作ったんだ。でも跳ね返ってこなくて。それで『あ、これは絶対に壁に埋まったな』と。直感を信じてプレーした」などと当時を振り返った。しかしこの時、ディーンよりも先に打球の行方を確信していたのがキケだった。
中継映像を見ると、ディーンは一度打球を追いかけた後に左翼キケのほうを振り返っていた。キケは大声を出しながら両手を挙げて“捕球不可”をアピールしており、28歳もこれで確信したように両手を挙げた。
ディーンの判断やキケの好守備があまりに鮮烈すぎてスポットライトはあまり当たっていないものの、直前にあったアピールプレーに日米ファンも称賛を寄せた。「キケのおかげで勝てたまである」「MVPはキケ」「キケが最初に気づいた選手だ」「まさにベテランのリーダーシップ」「キケ・ヘルナンデスは本当に“野球選手”って感じだ。状況判断が抜群」などと反応が寄せられた。
(Full-Count編集部)