キケが明かす地獄の瞬間「クソくらえ!」 運命受け入れた刹那…絶望から救った同僚の一言

9回の守備で激突したドジャースのエンリケ・ヘルナンデス(左)とアンディ・パヘス【写真:ロイター】
9回の守備で激突したドジャースのエンリケ・ヘルナンデス(左)とアンディ・パヘス【写真:ロイター】

9回2死満塁でクレメントが放った打球をキケとパヘスが交錯

 ドジャースの世界一メンバーが4日(日本時間5日)、米人気トーク番組「ジミー・キンメル・ライブ」に出演した。ワールドシリーズの激闘を振り返る中、9回のエンリケ・ヘルナンデス内野手とアンディ・パヘス外野手の接触に話題が及んだ。“当事者”となったキケは「ワールドシリーズに負けたんだ」と振り返った。

 ドジャースはワールドシリーズ第7戦の9回、1点ビハインドで迎えた攻撃で、1死からミゲル・ロハス内野手が起死回生の同点ソロを放った。しかしその裏、2死満塁の大ピンチを招いた。アーニー・クレメント内野手は山本由伸投手のカーブを捉え、打球は左中間へ飛んだ。すると、左翼のキケと直前から中堅守備に就いたパヘスが激突。無事にパヘスが捕球し、延長戦に突入した。

 しばらくうずまっていたキケは何を思っていたのだろうか。デーブ・ロバーツ監督から話を振られると、「スタートが悪かったんだ。投球はバウンドしそうだったから。彼がバットをボールに当てた感じで。半歩踏み込んで、それから走った。で、(ボールまでの距離が長いので)追いながら、これまでの人生を最初から最後まで振り返っていたんだ。400メートル走を走った気分だった」と回想する。

 背走しながらもキャッチする瞬間、「『心配しなきゃいけないのは壁だけだな』って思ったんだ」。しかし、どこからともかくパヘスが現れて衝突すると、「頭の中ではすべてが静かになった。彼が捕ったと、私に教えるべきだった。たった今ワールドシリーズを敗退したから、俺の脳は自己防衛しようとしたんだ。チームメートが俺の上からダンクを決めたせいで、ワールドシリーズに負けたんだって」と嘆いたと明かす。

「ワールドシリーズに負けたから地面にかがんで悲しんでた」キケだったが、パヘスが背中を叩き、大丈夫かと聞かれると、激怒した表情を再現し「『クソくらえ! 俺が大丈夫かなんてどうでもいい! 捕ったのか?!』って返したんだ。そしたら彼が『ああ、捕ったよ』って。俺は『おお、やったぜ! レッツゴー!』って」と一気に気分が上がったようだ。

 司会のキンメル氏からパヘスが乗っからなければ自分で捕球できていたか、と聞かれると、キケは自信満々で「うん、あと一歩で捕れるところだった。(バスケットキャッチを成功させた場合、キリスト像みたいに両手を広げるから)、俺の妻が……未亡人になるところだったよ」と話し、場内は大いに沸いた。

(Full-Count編集部)

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