山本由伸から「除外しないで」 伝説の前夜に届いたメッセージ…GMが受け取った覚悟

ワールドシリーズ「中0日」は前夜から意欲
伝説の登板への伏線が明らかにされた。ブルージェイズとのワールドシリーズ第7戦に「中0日」で登板し、勝利投手となったドジャースの山本由伸投手について、ドジャースのブランドン・ゴームズGMが米メディアのインタビューに対して登板までの経緯を語った。
ワールドシリーズ第2戦で完投勝利を果たした山本は、第6戦でも6回96球を投げて勝利投手となり、崖っぷちのチームを救った。登板がないと思われていた第7戦でも9回途中のピンチから登場し、2回2/3の34球を投げて勝利投手に。シリーズMVPにも輝いた。
米紙「ニューヨーク・ポスト」のジョン・ヘイマン記者は、ゴームズGMに伝説となった登板の背景を取材。自身のX(旧ツイッター)にインタビュー動画を公開した。
ヘイマン記者は「彼(山本)はあなたにいつ、また投げると言ったのですか、そしてあなたはそれを信じられました?」と質問。ゴームズGMは「確か、あの第6戦の夜遅くだったと思う。ウィル・アイアトン通訳からメッセージが来て。彼は明日登板する方法を模索しているのでお知らせしておきます、といった内容のものだった」と答えた。
メッセージには第7戦の登板について「なので完全に除外はしないでください、これは彼の念頭にあることなので、明日の状態を見てみましょう」と記されていたといい、ゴームズGMも山本の意欲は理解していたという。「当然何かを期待していたわけではない」はずだったが、翌日はキャッチボールから山本は絶好調で「大丈夫、いける」「体調は投げるのに十分だし、投げたい」という反応が返ってきたという。
山本は同点の9回にピンチの場面で登板。その投球についてゴームズGMは「信じられないほど素晴らしかった。球そのものは93球投げた前夜と遜色なかった。そして2イニングあまりを投げて、それでも97マイル出ていて、スプリットは93マイル出ていた」と回顧。その上で「本当に並外れたことで、またあんなことを見る日が来るかは分からない。あれだけ心身ともにタフで、やってもいいと言うことだけでも、チームメートやコーチ、そして我々全員から得た敬意は……既に彼には最上級の敬意を払っていたが、あれはまったく別次元のものだ」と語り、GMですらもエースの力投に恐縮しきりの様子だった。
(Full-Count編集部)