途中加入で強烈「13/67」、圧倒的すぎる「1.46」 パを牽引した助っ人4選手

日本ハム・レイエスは本塁打&打点の2冠王
数々の熱戦が生まれた2025年シーズンも幕を閉じた。チームを牽引した外国人選手のなかでも、出色の活躍を見せた4選手をピックアップ。成績を振り返りながら、彼らの魅力や印象的なプレーを紹介する。
日本で2年目のシーズンを過ごした日本ハム主砲のフランミル・レイエス外野手。ドミニカ共和国出身で2018年にMLBデビューし、通算108本塁打をマーク。NPB初年度となった昨季から25本の本塁打を放ち、存在感を発揮した。今季もその打棒を見せつけた。6、7月の月間打率はいずれも3割超で、特に7月には6本塁打、打率.324、OPS1.006の好成績で、自身2度目の「大樹生命月間MVP賞」を受賞。終盤の9月は打率.243も、四球で出塁する場面が多かった。
132試合出場、32本塁打、90打点で最多本塁打賞と最多打点者賞の2冠に輝き、OPS.861もリーグトップの成績だ。さらに、「2025 パーソル クライマックスシリーズ パ」ファイナルステージでは、打率.429、4本塁打の大活躍。昨年にも増して、チームにとって欠かせない存在となった。
シーズン途中の6月、楽天に加入したルーク・ボイト内野手。米国出身で、かつてヤンキースに在籍していた2020年には、ア・リーグ本塁打王に輝いた実績を持つ。2024年にはメキシカンリーグに移り、2025年から日本球界に活躍の場を移した。7月2日のNPBデビュー戦では、いきなり来日初安打・初本塁打を含む3安打2打点と、強烈なインパクトを残した。その後、9月7日に2打席連発、同13、14日には2試合連発と、圧倒的なパワーを披露。得点圏打率.391と勝負強さも光った。
シーズンを終えてみれば、67試合で打率.300、13本塁打、39打点を記録。シーズン途中の加入ながら、短期間で確かな存在感を示した。来季は1年を通して、楽天の主軸を担う活躍が期待される。開幕後から今季のような働きぶりを見せれば、他球団にとって脅威になることは間違いない。
西武・ネビンは6月に早くも2年間の契約延長が発表された
次に紹介するのは、西武の4番に定着したタイラー・ネビン外野手。米国出身で、エンゼルスの元監督であるフィル・ネビン氏を父に持ち、2021年にMLBデビューした。2025年から舞台を日本に移し、1年目からチームの主力として貢献。6月中旬にして2026年から2年間の契約延長が正式に発表された。早々に日本野球に適応し、5、6月の得点圏打率がいずれも4割を超え、5月には「大樹生命月間MVP賞」も受賞した。最終的に、21本塁打を放つ一方で、打率.277、リーグ3位の141安打とコンスタントな打撃も見せている。
魅力は打撃のみにとどまらない。外野手登録ながら、一塁手として堅実なプレーを再三披露した。鋭い打球への反応に加え、投手がベースカバーに入る場面での的確な送球など、守備面でも信頼を集め、攻守にわたって活躍。一塁手部門で「三井ゴールデン・グラブ賞」も受賞した。
NPB9年目を迎えたキューバ出身のリバン・モイネロ投手。昨シーズン先発に転向し、防御率1.88で最優秀防御率投手賞に輝くと、2025年もその勢いは止まらず。特に、5、6月はそれぞれ4試合に先発登板しながら、防御率は0点台。6月6日のヤクルト戦では、1試合18奪三振で球団新記録も樹立した。また「マイナビオールスターゲーム2025」では、左投げのモイネロが、突然右手で投球する場面も。見事、内野フライに仕留めるというユーモラスな一面も見せ、球場を沸かせた。
8月に入ると、計24イニングで無失点と圧倒的な投球を披露。最終的に24試合で12勝を挙げ、「10勝カルテット」の1人に。さらに、前年を超える防御率1.46を残し、再びリーグトップに立った。ポストシーズンでもその支配的な投球を展開。「2025 パーソル クライマックスシリーズ パ」ファイナルステージでは2試合に先発し、計14イニング1失点の好成績で最優秀選手賞(MVP)を受賞すると、「SMBC日本シリーズ2025」第3戦は6回4安打1失点で勝利投手に。ソフトバンクの5年ぶりとなる日本一に大きく貢献した。
今年6月に国内FA権取得し、来季からは日本人選手扱いに。「日本はもちろんのこと、僕はホークスファンの熱く、愛情溢れる応援と、福岡の街が大好きです。これからもみなさまに喜んでもらえるプレーと、チームを勝ちにつなげられるピッチングができるように頑張っていきたいです」とコメントしていた。
チームの中心となり、存在感を発揮した外国人選手たち。来季もスケールの大きな活躍を見せてくれることだろう。
(「パ・リーグ インサイト」波多野アイ)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)