侍Jに浮上した“贅沢な悩み” 限られた「3」に専門家も頭抱え…気になる「監督の考え方」

新井宏昌氏「どのように絞っていくのか非常に興味深い」
捕手3枠を巡る争いが激化してきた。野球日本代表「侍ジャパン」は15日、「ラグザス 侍ジャパンシリーズ 2025 日本 vs 韓国」に11-4で快勝。今シリーズでメンバー入りしている4捕手全員が安打を放ってアピールした。果たして“本戦”で選ばれるのは誰になるのだろうか。
先発マスクをかぶった坂本誠志郎捕手(阪神)は先発した曽谷龍平投手(オリックス)を3回パーフェクトと好リード。継投に入った4回に3失点したものの、5回の打席で適時内野安打を放った。坂本に代わって6回から守備に就いた若月健矢捕手(オリックス)は3投手をリードして4回1失点。8回に右前適時打を放った。
中村悠平捕手(ヤクルト)は3点ビハインドの4回に代打で左翼線二塁打。この回の同点劇を演出した。岸田行倫捕手(巨人)は中村の代打で打席に立った5回に決勝3ラン。マスクをかぶらなかった2人もバットで存在感を示した。
井端弘和監督は今シリーズ後に捕手を3人に絞り込む方針を掲げている。現役時代に通算2038安打を放ち、引退後はオリックス、広島などで指導力を発揮した野球評論家・新井宏昌氏は「それぞれ活躍しましたし、どのように絞っていくのか非常に興味深い」と語った。
「やむなく誰かが外れる」「井端監督の考え方次第」
坂本は今季、自己最多117試合に出場して阪神のリーグ優勝をけん引。若月は2021年からのリーグ3連覇に貢献しており、新井氏は「主力としてリーグ優勝の経験があるのは強み。若月は打撃もかなり良くなっている」と評価する。
ヤクルトで2021年からリーグ連覇し、前回2023年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも決勝でマスクをかぶるなど結果を残した35歳の中村については「ベテランらしいリードをするし頼りになる」と説明。岸田は今季、打率.293を記録しており「大舞台での経験が不足しているかもしれないけど打撃がいい」と評した。
首脳陣にとっては難しい選択を迫られる状況。「守りの要ですし、スローイングなどを含めた総合力での判断になると思います。いずれにしても、やむなく誰かが外れることになります」と推測した。
「井端監督の考え方次第になる。コーチ陣と話をしながら誰を選ぶのか、最後は監督が判断することになるでしょう」。悩ましいことではあるものの、全員が好結果であることはチームにとってはうれしい悲鳴。激しいサバイバル競争の結果に注目が集まる。
(尾辻剛 / Go Otsuji)