437億円契約は「当初から失敗に」 ド軍宿敵が抱える“不良債権”…あまりに重い残り8年

不名誉なランキング1位に選ばれたボガーツ
身売りの可能性が浮上しているパドレスに、不良債権化しつつある強打者の存在が重くのしかかっている。米スポーツ専門メディア「ブリーチャー・レポート」は「最もトレード不可能な契約トップ10」と題した記事を公開。1位に選ばれたのは、パドレスと残り8年2億360万ドル(約318億円)がある33歳のザンダー・ボガーツ内野手だった。
ボガーツはレッドソックスをFAとなった2022年オフ、11年2億8000万ドル(約437億7800万円)の大型契約でパドレスに入団した。同年まで遊撃手部門でシルバースラッガー賞を5度受賞するなど、強打が持ち味だった。
だが、その30歳の時点で衰えを不安視するメディアもあった。予想は的中し、パドレス入団後は徐々に成績が下降。今季は打率.263、11本塁打、53打点、OPS.720と平凡な数字に終わった。タティスJr.を外野に追いやってまで任された遊撃手の守備も、評価は今一つだ。
同記事では、11年の長期契約を「当初から失敗に見えた。そして契約から3年が経った今、2億ドル以上の支払いがまだ残っているにもかかわらず、すでに彼に衰えの兆候が見られる状況となっている」と断じた。米データサイト「ベースボール・リファレンス」によると、勝利貢献度を示す「WAR」はパドレス1年目の2023年は「4.2」だったが、2024年は「1.2」、今年は「2.0」と平凡な数字だった。
最近2年間について「平均以下の打撃成績しか残していない」とし、守備についても「キャリア全盛期ですら遊撃の守備では平均レベルの選手であり、彼の価値は常に打席でのパフォーマンスに大きく依存してきた」と手厳しく評価。8年の契約を残し、32歳で早くも持ち味だった打撃成績にも陰りが見えることを「憂慮すべき事態である」と警告した。
今季はドジャースと西地区優勝争いを繰り広げながらも3ゲーム差で2位だったパドレス。13日(同14日)に、球団の筆頭オーナーであるジョン・サイドラー氏が「球団売却の可能性を含めたプロセスを開始することを決定した」と発表し、球団経営の雲行きが怪しくなっている。チーム再編でコストカットが必要となった場合、引き取り手のない長期契約は重荷となるそうだ。
(Full-Count編集部)