大谷翔平、WBC二刀流が見られる“3大理由” 50日前に語った「自分の色」、揺るがぬド軍との信頼

2023年のWBC制覇に貢献した大谷翔平【写真:ロイター】
2023年のWBC制覇に貢献した大谷翔平【写真:ロイター】

大谷がオンラインで取材対応、WBC二刀流は「まだ分からない」も

 野球日本代表「侍ジャパン」で二刀流・大谷翔平(ドジャース)は見られるのか――。来年3月に行われるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場することを24日(日本時間25日)に自身のインスタグラムで表明。翌25日(同26日)に行われたオンライン会見では「まだ分からない」と話すにとどめたが、記者には、かなりの確率で二刀流出場するように見える。理由は3つある。

 まずは二刀流が自身のアイデンティティだからだ。日本ハム時代から投打のプレースタイルを築き上げ、663日ぶりに投手復帰した6月17日(同18日)の本拠地・パドレス戦では「感覚的にはやっぱりDHよりスムーズに過ごせる」と言及。10月上旬のポストシーズン中には「自分の色であり、自分の強み」と強いこだわりを口にすることもあった。

 3年連続MVP受賞と全盛期で迎える国際大会。「ずっと出たいなと思っていた。選ばれること自体、光栄なことではあるので、楽しみにしたい」という大舞台だ。「何通りかプランは持っておくべきだと思う。投げたパターンと投げないパターンと」。その口ぶりは慎重だったが、やはり投打でWBC連覇を狙うのではないか。

 2つ目はスケジュールだ。仮に大谷が前回大会と同じようにWBC開幕となる3月6日・チャイニーズ・タイペイ戦から合流し、17日の決勝まで勝ち進めば、3週間近く球団の管理下から離れることになる。大谷は、ブルペンでは試合で投げるような出力が上がらないと語っていたこともあった。そんな右腕が開幕前の大事な3週間、実戦登板から離れるとは想像しにくい。

 最後は球団スタッフら現場の声だ。例えばワールドシリーズでの起用法。第4戦での登板は延長18回を戦った第3戦の翌日だったが、ヘッドトレーナーのトーマス・アルバート氏は「ショウヘイは準備ができている」と、コンディション問題なしを強調。第4戦で93球を投げた後も「通常の疲労だ。特別な疲れはないよ」と中2日が空いた第6戦の登板にもGOサインを出していた。「大谷が故障してしまうのではないか」。こんな周囲の不安を一蹴するほどの涼しい表情だった。

 大谷は疲労度を数値化した器具も使用している。「ショウヘイは誰よりも自分の身体のことを分かっている」。アルバート氏は、ちょっとした体の異変も報告してくると語っていた。投手のリハビリを支えてきたトレーナーと、こんな信頼関係を築けているからこそ、球団もWBC二刀流を容認するのではないか。

 とはいえ、ドジャースのシーズンは毎年長く、球団の想定を超える無茶な起用法ができないのも事実。ドジャースが登板日や球数を徹底管理した上で、投打の二刀流でプレーする。記者は、こんな青写真を描いている。

○著者プロフィール
小谷真弥(こたに・まさや)1983年、大阪・大阪狭山市生まれ。埼玉・東松山市育ち。明大明治高、明大野球部を経て2006年報知新聞社に入社。地方部(富山・石川)を経て2009年に運動第一部(野球部)へ異動。2009年ロッテ、2010、11年横浜、2012年から巨人、2015年から日本ハム、2017年からメジャー担当。2019年2月からFull-Count編集部に所属。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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