西武にFA移籍の31歳、リーグ1位の「7.4」が与える影響 浮沈のカギ握る“新星”の起用法

日本ハムから西武にFA移籍の石井一成、データで見た31歳の魅力
今オフ、西武が見せる積極的なFA補強はチームにどんな影響を与えるか。西武は5日、国内FA権を行使していた日本ハム・石井一成内野手との契約合意を発表。来季プロ10年目の節目のシーズンを迎える石井には、西武が課題に抱える“穴埋め”が期待される。
石井は今季、二塁のレギュラーとして活躍。108試合に出場し、打率.259、6本塁打、30打点をマークし、86安打はプロ9年間で最多となった。堅実な二塁守備でも貢献。セイバーメトリクスの指標などを用いてプロ野球の分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)によると、守備で平均的な選手と比べた時にどれだけ失点を増減させたかを示す「UZR」は、二塁手の規定守備イニング到達者のなかでリーグ1位の「7.4」を記録した。
打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価して選手の貢献度を示す「WAR」でも、石井は日本ハムでチーム3位の「2.6」を記録。今季の西武においてこの数値は、タイラー・ネビン外野手と並び2位タイとなる。データからも、攻守に渡り、石井が高い存在感を示していたことが見てとれる。
今季の西武は、正二塁手が不在。最も多くスタメン起用(59試合)されたのは滝澤夏央内野手。守備に定評がある22歳は、二塁手でUZR「7.4」、遊撃手で「7.3」と、いずれもチームトップの数値をマークし、二遊間どちらで起用されても高い守備力をみせた。また、WARでもチーム3位の「1.9」を残した。
新加入の石井が来季、西武の“正二塁手”を担うと仮定すると、滝澤の起用法がカギを握ってくる。遊撃手として起用した場合、7年連続でゴールデン・グラブ賞を受賞している源田壮亮内野手との争いとなるだけに、石井を含めた内野のポジション争いは、例年以上にハイレベルな競争が繰り広げられそうだ。
西武はDeNAからFA宣言していた桑原将志外野手も獲得しており、同一年2人のFA補強は球団史上初。来季、石井はプロ10年目、桑原は15年目となる。経験豊富な2人の加入は、3年連続Bクラスからの脱却を目指すチームにどんな影響をもたらすだろうか。
(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)
データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。