侍エース候補が“違反危機”、12球団最遅「26.5」 前回大会で活躍も…WBC新ルールで改善必須

侍ジャパン・井端弘和監督【写真:小林靖】
侍ジャパン・井端弘和監督【写真:小林靖】

2026年WBCからピッチクロックが導入される

 世界一連覇が期待される野球日本代表「侍ジャパン」で、主戦投手と期待されるのが中日の高橋宏斗投手だ。前回2023年大会では最年少20歳で参戦して3大会ぶりの優勝に貢献。一方で、2026年大会から導入される新ルールが障壁となる可能性がある。

 2026年大会ではプロ野球には導入されていないピッチクロック、拡大ベースなどが採用される。ピッチクロックとは投手がボールを受け取ってから走者なしの場面では15秒、走者ありの場面では18秒以内に投球動作に入らなければいけない。高橋宏はこの投球感覚が課題になる。

 セイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)によると、高橋宏は走者なし時のテンポで「13.2秒」。走者なし時はルールの範囲内だが、走者あり時のテンポは「26.5秒」となっている。走者あり時は66.7%で30秒以上かかっており、規定投球回に到達した投手の中で一番の長さとなっている。

 前回大会の決勝・米国戦では5回に登板して1回無失点。トラウト、ゴールドシュミットから三振を奪い、3度目の世界一に貢献した。ただ米国の成人年齢(21歳)に達しておらず、試合後のシャンパンファイトには参加できなかった。「最後にみんなから水をかけられました。(3年後は)中心になれるように」と語っていた。“新ルール”を克服し、再び世界で輝きを放ちたい。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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