本田仁海、右肘手術から復活へ 育成から再出発…“後輩”の成長に刺激「負けないように」

オリックス・本田仁海【写真:小林靖】
オリックス・本田仁海【写真:小林靖】

8年目の今季は1軍登板なし、本田仁海が目指す復活マウンド

 オリックスの本田仁海投手が、オフの自主トレでともに汗を流した才木海翔投手に刺激を受け、右肘のクリーニング手術からの復帰に意欲を見せている。

「アイツは入った時からボールがすごかったので、活躍はうれしかったですね。僕は投げることができなかったので、悔しい気持ちはもちろんあります。刺激には結構なりました」。柔和な本田が表情を引き締めた。

 本田は神奈川県出身。星槎国際湘南高から2017年ドラフト4位でオリックスに入団した。最速158キロの直球にフォーク、スライダーを武器に、2022年には中継ぎ、抑えとして42試合に登板。2勝3敗2セーブ、14ホールド、防御率3.50でリーグ優勝に貢献した。2023年9月に右肘靭帯を損傷し手術。その影響で育成選手となったが、2024年5月に支配下復帰し23試合に登板した。しかし今季は、5月下旬に肘に痛みが出て登板を回避。8月14日の大学との交流試合で復帰したものの、以降は登板機会がなく、9月1日に手術に踏み切った。

 1つ年下の才木とは、車好きという共通の趣味で気が合い、今季の春季キャンプ前は、一緒に自主トレで汗を流した。午前6時から大阪の球団施設で始まるトレーニングのため、午前5時に起床する規則正しい生活習慣を身に着けた才木は、今季38試合に登板。厳しい場面での起用に応え、2勝1敗4セーブ、11ホールドと救援の役目を果たした。

 才木とは対照的に本田は結果を残せない日々が続いた。「ショートアームで肘をたたむことばかりを意識して、上半身だけで投げていたのかなと思います」と原因を分析。来季に向けて下半身を含めた体の使い方を見直していくという。

「リリーフ陣も僕より若い選手がいますし、同世代も活躍しています。そこに負けないようにしたいと思います」。12月8日に2度目の育成契約を結んだ右腕は、9年目を迎える来季の早期復活を目指し、オフの鍛錬に励む。

〇北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者一期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。

(北野正樹 / Masaki Kitano)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY