同僚に「頼む、友達になって」 報道陣に“画伯T”贈呈…日本復帰で見せたマエケンの素顔

「得意なので描かせてもらいました」マエケン画伯Tシャツをプレゼント
楽天に加入した前田健太投手が16日、楽天モバイルパークで入団会見を行った。日米通算165勝を誇る37歳だが、約1時間に及んだ会見では軽妙なトークで笑いをとっただけでなく、「めちゃくちゃ不安です」と打ち明ける場面も。また報道陣には自ら描いた“画伯Tシャツ”をプレゼント。実に11年ぶりとなる日本球界だが、“らしい”帰還となった。
開幕投手への意欲を聞かれたときだった。「ないです」と即答で首を横に振る。「僕がやるべきではないとは思うし、これからチームを引っ張っていくような若い選手がするべきだとは思います。僕も若い時そうでしたけど、開幕投手を経験すると自覚が芽生えたり、責任感が生まれたりすると思うので」と真面目に説明。一方で「僕はもうちょっと相手がエース級じゃないところで投げさせてもらって。開幕行くとエースばっかりなんで。っていう裏の理由もあります」と笑った。
新天地で親交のある選手は藤井ただひとり。「めちゃくちゃ不安です。一人だったらどうしようって」と胸中を吐露する。先日イベントで村林、早川と対面した際には「頼む、友だちになって」と声を掛けたそうで、「年齢も離れているので最初は気を遣わせてしまうかもしれないですけど、僕自身そういうタイプでもないですし、どんどん来てほしいなとは思います。インスタでDMでも送ってくれってみんなに言っておいてください」と懇願した。
会見実施に際しては「何もないのも面白くないかなと思って、ちょっと得意なので描かせてもらいました」と自らデザインしたTシャツを報道陣にプレゼントした。独特なタッチの絵で「マエケン画伯」と呼ばれる右腕。楽天のキャラクターをものの5分で書き上げたそうで「時間掛からないんです、僕。直感のまま行くので。でもイーグルスから訴えられたらどうしよう」と話して、ここでも周囲を笑わせた。
広島で9年間を過ごし、海を渡った。米国では2年連続でワールドシリーズに出場するなど栄光もあったが、今季はマイナー暮らしの苦難も味わった。そんな前田が「生半可な気持ちで球団を選んだわけではないですし、自分のキャリア最後のチームだと思って選んで入団させてもらったので、僕自身はこのチームで終えるつもりで」とやってきた杜の都。18番を背負い、“最後の戦い”が始まる。