2度の右肘手術、小木田敦也が見せた“覚悟” 故郷よりも見つめる今「力強さも出てきた」

オリックス・小木田は帰省なしで年末年始もトレーニング
オリックス・小木田敦也投手が、今年4月に右肘のトミー・ジョン(TJ)手術の後、リハビリ中の12月に右肘のクリーニング手術を受け、プロ入り後、初めて帰省をせずトレーニングを続けている。「2年間、何もできていない状態なので、その悔しさを来年にぶつける準備をしています」。早朝に球団施設の周囲のランニングを終えた小木田が、前を見据えた。
小木田は、秋田の角館高、TDKから2021年ドラフト7位でオリックスに入団。最速153キロのストレートにスライダー、スプリット、カットボール、チェンジアップなど多彩な変化球を武器に2023年には救援として38試合に登板、リーグ優勝に貢献した。
しかし、2024年は右肘痛、右肩痛に苦しんで13試合登板にとどまり、2025年4月にTJ手術を受けた。50メートルのキャッチボールなど順調なリハビリだったが、育成契約後の12月5日に右肘の骨片除去手術を受けた。「以前から違和感はあったのですが、手術の必要まではないという判断でした。不安があった部分がなくなったので手術してよかったと思います。球団にも感謝しています」。
手術から1週間後に抜糸し、14日からはキャッチボールを再開。リハビリ期間に大きな変更はないが「この2年間、チームに貢献できていませんから」と、帰省を取り止めた。球団施設が閉鎖される12月29日から来年1月3日までの間も、トレーニング施設で体を動かす予定だ。
「これまでは地元に帰って、先輩や同級生と会ったり元の職場(TDK)に挨拶に行ったりしてリフレッシュして帰ってきましたが、今年はそんなわけにはいかないですから」。プロ入りまで秋田県を離れたことのない人生だったが、初めて故郷以外で迎える年末年始は、小木田の覚悟の表れ。
「今まで上半身のウエートトレーニングはしてこなかったのですが、全身をしっかりとトレーニングすることで筋肉量が増え、体の力強さも出てきた。思い切り腕を振らなくても綺麗な良いボールが投げられるようになりました。ここからどんどん良いボールが投げられるんじゃないかと思うので、リハビリも楽しくやっています」。TJ手術から1年後の、実戦復帰を目指す。
〇北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者一期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。
(北野正樹 / Masaki Kitano)