吉田輝星が“逆算”で描く1軍マウンド TJ手術から復帰へ…感じた手応え「明らかに違う」

オリックス・吉田輝星【写真:北野正樹】
オリックス・吉田輝星【写真:北野正樹】

TJ手術から復帰を目指す吉田輝星、オフは鹿屋体大で自主トレ

 オリックスの吉田輝星投手が、9月から伸ばし始めた髪の毛の長さを“復帰の目安”に置いている。トミー・ジョン(TJ)手術からのリハビリは順調に進み、12月18日からは、年末年始を除き、鹿屋体大(鹿児島)で2026年1月20日まで実戦復帰に向けた自主トレに入った。

「かなり伸びましたね。前髪は、顔が隠れるほどになりました。復帰する頃にはロン毛になっているでしょうから、復帰までの時間を図る砂時計ならぬ“髪時計”ですね(笑)」。鹿児島への出発を前に、吉田が屈託のない笑顔を浮かべた。

 日本ハムから移籍した昨季は、キャリアハイに迫る50試合に登板。4勝0敗、14ホールド、防御率3.32で復調を果たした。今季は4月に右肘の手術を受けリハビリを続けてきたが、6月に入りネットピッチを始め、10月には球速が140キロ前半を計測するなど、順調に回復している。リハビリに集中しているため、髪も気にならなくなった。

「最短のペースで回復しています」と話すが、10月末からはブルペンに入るのを控えている。「傾斜を使って投げると、結構、肘に負担が大きいんです。(ブルペンには)入れるのですが、(春季キャンプから)逆算するとまだ入る時期じゃないんじゃないかなと思って」。オーバーワークにならないよう意識してペースを落ととしているところを見ると、回復ぶりは順調のようだ。

 鹿屋体大では、フォームの動作解析や球質などのデータ計測と並行して、ブルペンに入り傾斜のあるマウンドにも上がる。「いい環境があって、いろんな部分がチェックできますし、練習全部を自分の時間として自由に使えるというのも大きいんです」。

 昨年、鹿屋体大で取り組みながら披露できないまま終わった新球にも、再度挑戦する。「(リハビリで)鍛えた分、投げ方も若干、変わっているかもしれません。投げている感覚はキャッチボールから明らかに違いますから、数値が楽しみです」。髪の毛を切る日は決めている。もちろん、1軍に実戦復帰したときだ。

〇北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者一期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。

(北野正樹 / Masaki Kitano)

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