世代No.1ドラ1がまさかの借金4…泣かされた“無援護” 明暗別れた中日新人の1年

中日・金丸夢斗【写真:小池義弘】
中日・金丸夢斗【写真:小池義弘】

侍選出のドラ1は防御率2点台も「2勝」止まり

 井上政権1年目は4位に終わった中日。悲願の優勝へ戦力の底上げが急務となる中、2024年のドラフトで指名した選手たちはどんなルーキーイヤーを過ごしたのか。即戦力、将来性を含めた新人たちの1年を振り返ってみる。

 4球団競合の末に入団したドラフト1位の金丸夢斗投手は、その実力を発揮した一方で“無援護”に泣かされた。1軍で15試合に登板し、防御率は2.61と安定した投球を披露。しかし打線の援護に恵まれない試合が続き、初勝利は10試合目の登板だった。それでもシーズン終了後には侍ジャパンに選出されるなど、球界を代表する左腕への第一歩を踏み出した。

 野手陣では、4位の石伊雄太捕手が存在感を示した。木下拓哉捕手の離脱という緊急事態に、1年目からチャンスを掴んだ。85試合に出場し打率.221、3本塁打、21打点をマーク。さらに、盗塁阻止率.413はリーグ3位と健闘。チームの救世主となった。

 将来の大砲候補、3位の森駿太内野手は、ウエスタン・リーグで74試合に出場し9本塁打を放つなどパンチ力を発揮。9月にはプロ初安打となる右前打を記録するなど、1軍でも才能の片鱗を見せた。一方で即戦力と期待された2位の吉田聖弥投手は1軍昇格が8月と出遅れ、5試合で防御率5.00。2軍でも防御率4.16とプロの壁に直面した。

 下位指名の高卒投手たちも経験を積んだ。5位の高橋幸佑投手は2軍で11試合に登板し1勝1敗、防御率4.76。6位の有馬恵叶投手は公式戦登板こそなかったが、身長190センチ、体重80キロの恵まれた体格はロマン十分。高校2年から本格的に投手を始めた素材だけに、じっくりと育成が進められている。

 育成選手もアピールを続けた。育成1位の中村奈一輝内野手は2軍で51試合に出場し、打率.265と非凡な打撃センスを見せた。育成2位の井上剣也投手は2軍で1試合の登板にとどまったが、秋には自己最速の154キロを計測。2026年の支配下登録へ向け、希望の光が差し込んでいる。

(Full-Count編集部)

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