総年俸647億円、ドジャースの緩めぬ補強 109億円守護神獲得…実は未着手な課題

ドジャース・大谷翔平(左)とデーブ・ロバーツ監督【写真:ロイター】
ドジャース・大谷翔平(左)とデーブ・ロバーツ監督【写真:ロイター】

ディアス、ロハスを獲得…ヌートバーらを狙っているとの報道も

 ドジャースが例年にない“控えめ”なオフを過ごしている。2025年にワールドシリーズ連覇を果たし、2026年シーズンは1998~2000年のヤンキース以来となる3連覇を目指す。過去2年は大谷翔平投手らを獲得するなど大型補強を連発してきたが、今オフの動きは現時点で小幅な戦力強化にとどまっている。

 ワールドシリーズ終了翌日、メジャーでは計137選手がFA公示された。ドジャースからは現役引退を表明したクレイトン・カーショーら4投手、野手ではマイケル・コンフォート、エンリケ・ヘルナンデスらがFAとなった。その後、球団はマックス・マンシーとアレックス・ベシアの契約延長オプションを行使。主力の三塁手と貴重な左腕リリーバーの流出を最小限に食い止めた形だ。

 今オフの補強テーマは明確で、「ブルペン再編」と「外野手の底上げ」にある。2025年シーズンはタナー・スコットら実績ある救援陣を新たに加えながらも、終盤にブルペンが崩壊。佐々木朗希投手が“救世主”として守護神を務めたものの、2026年から先発に専念する方針である以上、救援陣の整備は急務であった。また、FAとなったコンフォートに加え、テオスカー・ヘルナンデスも期待を下回る成績に終わったことで、外野陣のアップグレードも避けては通れない課題だ。

 そんな中、12月に入りようやく大きな動きを見せた。メッツからFAとなっていたエドウィン・ディアス投手を3年6900万ドル(約107億円)で獲得。通算253セーブを誇り、2025年に3度目の最優秀救援投手賞に輝いた“最強守護神”の加入により、最大の懸案だったブルペンは一気に強みへと変わるだろう。また、リーダー格のミゲル・ロハスとも再契約。内野のバックアップのみならず、チームの精神的支柱を留めた意味は大きい。

 一方で、外野の強化は足踏み状態が続いている。FA市場ではカイル・タッカーらが候補に挙がるが、すでに超高額契約を複数抱える球団が、さらなる大型契約に踏み切るかは不透明だ。トレード市場ではスティーブン・クワン(ガーディアンズ)やラーズ・ヌートバー(カージナルス)を標的にしているとの報道もあり、今後の動向が注目される。

 12月19日(日本時間20日)、MLB機構は2025年度のCBT(ぜいたく税)額を確定させた。ドジャースの課税額は史上最高の1億6937万5768ドル(約262億円)に達し、年俸総額は30球団トップの4億1734万1608ドル(約647億円)を記録。大谷らの加入による収益増があるとはいえ、資金力で比肩する球団はない。連覇を遂げた常勝軍団は、この静寂を突き破る「最後の大物」をまだ隠し持っているのだろうか。

(Full-Count編集部)

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