“設定しない目標”で破る2年目のジンクス プロは「本当に難しい」…寺西成騎の胸中

寺西成騎が迎えるプロ2年目の“目標”
オリックスの寺西成騎投手がプロ2年目の目標を「勝ち数を挙げず」で臨む。「シーズン前に目標は2勝と言って、2つしか勝てませんでした。今年は勝てるだけ勝ちます」。寺西が精悍な表情を引き締めた。
寺西は、星稜高(石川)、日体大から2024年ドラフト2位でオリックスに入団。登板2試合目となった昨年6月13日の巨人戦(京セラドーム)で5回を67球1失点で初勝利を挙げ、登板4試合目の西武戦(京セラドーム)で今井達也投手(現アストロズ)と投げ合い、2勝目を掴んだ。
しかし、5、6試合目は勝ち投手の権利を得て降板したものの、勝ち星はつかずルーキー年を2勝3敗1ホールド、防御率5.30で終えることになった。入団時の目標は「1軍での2勝」だった。1勝で満足することなく、さらに勝ち星を積み重ねていくという意味を込めた目標設定。ただ、結果的に「2勝」で終わってしまった現実を直視せざるを得なかった。
「足りないものは、継続させることですね。1試合は良くても続けることができませんでした。1年を通して活躍することが本当に難しいということを感じました」。先発ローテーションを任されるためには、好不調の波を少なくして首脳陣だけでなく野手にも信頼される投手でなければならないことを痛感した。
今季につながる収穫もあった。Aクラス入りを決めた後、クライマックスシリーズ(CS)に向けシーズン最終盤に救援に回った。3試合に1イニング限定の登板で、被安打0、3奪三振、1与四球、無失点の好投。10月1日の西武戦(京セラドーム)では最速155キロのストレート中心の力の投球でねじ伏せた。
「中継ぎでもやれるということをしっかりと見せることができましたし、その時の出力を先発でも出せればという目標もできました」と寺西。今季は先発での起用が予想される中、「出力はもう上がっているので、常時150キロを出せれば、先発でも去年とはまた違った投球ができると思います」と自信をみせる。
新たな武器も得た。秋季キャンプで平野佳寿投手兼任コーチから指南を受けたフォークだ。外角にスライド気味に落ちる寺西のボールを見た平野兼任コーチから、内角への投げ方を教えてもらった。「右打者のインコースに食い込み、左打者を泳がせることができます。僕のフォークも空振りが取れますから、平野さんのフォークと融合すれば、投球の幅は広がります」。比嘉幹貴投手コーチが「投げるたびにクレバーだと思いますね。めちゃくちゃ落ち着いていて、走者を出しても全然、慌てることがない。焦っていると感じさせないんです」とたたえた投球術をベースに、新たな姿で勝ち星を重ねてみせる。
○北野正樹(きたの・まさき)大阪府生まれ。読売新聞大阪本社を経て、2020年12月からフリーランス。プロ野球・南海、阪急、巨人、阪神のほか、アマチュア野球やバレーボールなどを担当。1989年シーズンから発足したオリックスの担当記者一期生。関西運動記者クラブ会友。2023年12月からFull-Count編集部の「オリックス取材班」へ。
(北野正樹 / Masaki Kitano)