日ハム“Wエース”の共通点…異なる強みで目指すリーグV 分け合った最多勝、気になる再編

制球力と安定感で積み上げた実績
2年連続で最多勝のタイトルを分け合った右腕2人が、2026年か同じユニホームに袖を通す。日本ハムに6年ぶりに復帰する有原航平投手と、エースとして成長を続ける伊藤大海投手である。ともに近年のパ・リーグで結果を残してきた背景には、高い制球力と長いイニングを投げ抜く安定感がある。
有原はNPBで9シーズンを戦い、与四球率が3点台に達した年は一度もない。2015年を除く8シーズンで与四球率2.20以下を記録し、キャリア平均は2.03と先発投手として非常に優秀な水準である。特に日本球界復帰後の2023年、2024年はいずれも与四球率1点台を記録し、制球力にさらに磨きがかかった。
一方で奪三振率はキャリア平均6.56と突出した数字ではない。2019年には8.82を記録するなど高水準の年もあったが、2023年以降は3年連続で6点台以下となっている。ただ、被打率は2023年が.233、2024年が.215に抑え、WHIPも2023年から3年連続で1.19以下を維持している。打たせて取る投球へのシフトが、現在の投高打低傾向の中で効果を発揮している。
投球回数にも変化が見られる。2020年までの6年間では2017年の169回が最多だったが、2024年は182回2/3、2025年は175回と直近2年は増加傾向にある。安定した内容でイニングを重ねる能力は、終盤にリリーフ陣の負担が課題となった日本ハムにとって大きな武器となる。
奪三振能力と成長曲線が示す将来性
伊藤はプロ入り後、年を追うごとに数字を伸ばしてきた。与四球率は2021年の3.27から2022年2.83、2023年2.41と改善し、2024年に1.99、2025年には1.33と飛躍的に向上した。5年連続で与四球率を良化させており、制球面での進化が際立つ。
奪三振率も成長の軌跡を描く。2021年は8.69と高水準だったが、2022年は6.48まで低下した。それでも2023年に7.87、2024年に8.22と再び上昇し、2025年は196回2/3で195奪三振、奪三振率8.92を記録して最多奪三振のタイトルを獲得した。K/BBも2025年は6.72に達し、規定投球回到達者でリーグ最高の数字となった。
WHIPはプロ入りから5年連続で1.25以下を維持し、2024年、2025年はいずれも1.07以下と優秀である。投球回も2024年に176回1/3、2025年にはリーグトップの196回2/3を記録し、名実ともに投手陣の柱へと成長した。
2025年は両投手ともに被BABIPがキャリア平均を上回った。有原は.288、伊藤は.298と、いずれも必ずしも運に恵まれた数字ではない。それでも最多勝を分け合った事実は、偶然ではなく投手としての基礎能力の高さが結果に直結したことを示している。
制球良く長いイニングを投げ抜くという共通点を持ちながら、有原は打たせて取る安定型、伊藤は三振で押す本格派という違いも明確である。異なる強みを持つ右腕2人が同じローテーションに並ぶことで、日本ハムの投手陣は厚みを増す。直近2年は最多勝を分け合った2人が、リーグの頂点へ導く存在となるか。その行方が注目される。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)