無念の“陥落”も…侍Jに必要だった源田 「日本でもトップ」井端監督が決断したワケ

昨季はキャリアワーストの成績も、2大会連続で代表入り
野球日本代表「侍ジャパン」の井端弘和監督は16日、3月に行われるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場するメンバー11人を発表。前回大会でもメンバー入りし世界一に貢献した西武の源田壮亮内野手が2大会連続で選出された。
2025年は打撃不振に苦しみ、打率.209に終わるなど、プロ9年目はキャリアワーストとなる数字が並んだ。規定打席に到達できず、後半戦は守備力に定評のある22歳の若獅子・滝澤夏央内野手に遊撃のスタメンを譲る試合も目立った。
また、2018年から7年連続で死守してきたパ・リーグ遊撃部門のゴールデン・グラブ賞からも“陥落”。オリックスの紅林弘太郎内野手にタイトルを奪われる形となった。「肩の強さとか、三遊間深いところギリギリをアウトにできるのが紅林選手の魅力だと思います」とライバルを称えながら「やっぱり取り返したいです」と、自身の代名詞でもある“守備タイトル”奪還にリベンジを誓っていた。
昨季の成績を見ると、今回の侍ジャパン招集は見送られても仕方のないものだったが、2024年に開催されたプレミア12で最年長としてチームを引っ張った源田への井端監督の信頼は揺るぎないものだった。
「守備は日本でもトップだと思う」。こう源田を評する侍指揮官は現役時代、同じ遊撃手であったという観点、その守備の安定性がいかに投手陣に安心感を与え、相手の脅威となるか。短期決戦での守備力の重要性を熟考し、32歳の源田を抜擢する決断を下した。
大谷翔平も称えた源田の守備での貢献
前回大会、1次ラウンドの韓国戦(東京ドーム)で帰塁の際に右手小指を骨折しながら準々決勝のイタリア戦で強行復帰。準決勝・メキシコ戦(マイアミ)では、3点をリードされた7回の守備で一塁走者のトリッキーなスライディングに華麗に反応。一度は「セーフ判定」されながらもリプレー検証の結果、源田の的確なタッチが認められ「アウト」判定に覆った。
さらに、1点差に詰め寄った9回1死の守備ではフラフラっとショート後方に舞い上がった打球を源田が背走したまま、落下点にピンポイントでグラブを差し出す“GPSキャッチ”でピンチの芽を摘み、その裏の村上宗隆内野手のサヨナラ逆転2点打を呼び込んだ。源田のいぶし銀の貢献には大谷翔平投手が「身を粉にしてチームのために頑張ってくれている」と最敬礼したものだった。
西武関係者が「滝澤の守備は確かに上手い。ただ、三遊間の深いゴロや遊撃後方、ライン際に上がったフライの処理など、まだ源田にしかアウトにできないタイミングの打球がある。一発勝負の短期決戦では一つの好守が勝敗を分ける」と指摘するように、2月に33歳を迎える源田の守備力はいまだ健在だ。
源田は球団を通して「このたびWBC日本代表に選出していただき、大変光栄に思います。日本を代表するメンバーの一員として、身の引き締まる思いです。自分に求められる役割をしっかり理解し、チームの勝利につながるプレーを一つひとつ積み重ねていきたいです。日の丸を背負う責任を忘れず、日本のために全力で戦います」とコメント。前回大会、骨折しても離脱しなかった日の丸への思いを新たにし、世界一連覇を目指す決戦に挑む。
(伊藤順一 / Junichi Ito)