鷹・川瀬晃が“1試合1万円”を選んだ理由 「僕には武器がある」…寄付活動を続ける真意

大分県国東市で自主トレを行ったソフトバンク・川瀬晃【写真:長濱幸治】
大分県国東市で自主トレを行ったソフトバンク・川瀬晃【写真:長濱幸治】

18日に国東市で動物愛護団体とコラボ企画を実施

 ソフトバンクの川瀬晃内野手が行っている保護犬、保護猫の支援活動は2年目を迎えた。18日には自主トレ先の大分県国東市で動物愛護団体とのコラボイベントを開催した。昨年に引き続き、今年もレギュラーシーズンの出場試合数に応じて寄付を行う予定だ。川瀬が成績連動の対象として試合数を選んだのには理由がある。「僕にはユーティリティという武器があるので」。チャリティーへの思いを明かした。

 2025年シーズンの開幕直後に、保護犬・保護猫の支援活動を行う「RTP(レッドトレインプロジェクト)」へ出場1試合につき1万円を寄付することを発表した。きっかけは飼育放棄された動物を保護する“現場”を目の当たりにしたことだった。

「捨てられた犬や猫が苦しい思いをしているのはもちろんですけど、そこに関わる人も苦しんでいる。現場の方の声を聞いて、すごく胸を打たれたので。これからも本当に微力なんですけど、この活動を長く続けていきたいなと思います」

 プロ10年目の節目となった昨季は102試合に出場し、自己最多の224打席に立った。自身初アーチを含む2本塁打、50安打、23打点はいずれもキャリアハイをマーク。チームが単独最下位に沈んでいた5月2日のロッテ戦(みずほPayPayドーム)ではサヨナラ打を放ち、連敗を5で止める殊勲の働きを披露。ここからチームは上昇気流に乗り、リーグ連覇と日本一に輝いた。

 記憶に強く残る活躍を見せた28歳は、チャリティー活動が自らの原動力だったことを明かした。「プロ野球選手なので、もちろんスタメンで出たいという思いはあります。だけど、途中から出たとしても、『きょうは試合に出たから寄付できる』という思いでプレーできるというか。スタメンじゃないから落ち込むんじゃなくて、試合に出ることに意味が生まれる。そこは自分もやりがいを感じながらやっている部分ですね」

 12球団随一の選手層を誇るソフトバンクでスタメンを勝ち取るのは容易ではない。それでも、自らのできることを見つめた先の答えだった。「安打数とかだと大きな額は寄付できないので。僕はユーティリティという武器を持っているので。スタメンじゃなくても、グラウンドに立っただけで寄付ができる。そういう思いもあって、試合数にしました」。混ざりっ気のない思いこそが、昨季の活躍の源にあった。

 18日は日曜日だったこともあり、数多くの人が自主トレ見学に訪れた。「去年はトークショーもやりましたけど、今年は練習に集中したかった。お昼に豚汁を配ったり、ステッカーを渡したりと規模は小さかったんですけど、それでもこれだけたくさんの人に来てもらえて。本当にうれしいですね」。命の尊さを学び、それを活力とした28歳。今シーズンもグラウンドに立ち続ける。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)

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