吉田参戦の裏で…侍Jの気になる“問題” 求めるのは破壊力か守備力か、試される手腕

Rソックス・吉田正尚、カブス・鈴木誠也、ソフトバンク・近藤健介【写真:ロイター、栗木一考】
Rソックス・吉田正尚、カブス・鈴木誠也、ソフトバンク・近藤健介【写真:ロイター、栗木一考】

井端監督「本職と言えるのは彼しかいない。スタメンもあり得る」

 NPBエンタープライズは4日、3月に開催される第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に臨む日本代表「侍ジャパン」のメンバーとして、レッドソックスの吉田正尚外野手を選出したと発表した。これで全30人のロースターが確定。史上最強の呼び声高い陣容が整った一方、連覇を狙うチームの懸念材料として浮上してきたのが「センター(中堅手)問題」だ。

 今大会の侍ジャパンは、文字通り史上最高レベルの布陣と言える。大谷翔平、山本由伸といった世界最高峰のタレントに加え、メジャー所属選手は過去最多の9人にのぼる。打線に目を向けても、大谷、吉田、鈴木誠也に加え、新たに海を渡った岡本和真、村上宗隆が名を連ねる。スタメンの半数以上をメジャーリーガーや歴代級の強打者で埋める「重量打線」の形成も可能となった。

 しかし、その強力な攻撃陣の裏側で懸念されるのが外野守備だ。大谷は指名打者(DH)での起用が濃厚。そうなると、昨季所属球団で主にDHを務めた吉田と鈴木をフィールドに立たせる必要が出てくる。鈴木はMLB移籍後の守備指標こそ振るわないものの、広島時代にはゴールデングラブ賞の常連だった名手であり、両翼の守備は計算が立つ。一方、守備範囲に課題を抱える吉田を起用する場合、ポジションは左翼に限られるだろう。

 そこでスポットライトが当たるのが、外野守備の要である「センター」の座だ。井端弘和監督は1月の会見で、「本職と言えるのは彼しかいない。スタメンもあり得る」と周東佑京への期待を口にした。今回の選出メンバーで外野手登録なのは、ほかに近藤健介と森下翔太。だが、近藤は昨季の故障の影響が懸念され、森下も本職は右翼だ。森下の中堅守備はプロ入り後わずか6試合にとどまり、国際大会のプレッシャー下で任せるにはリスクが伴う。「中堅・鈴木」という選択肢もあるが、日米通算でも中堅での出場はわずか17イニング。経験不足の感は否めない。

 この「経験値」という穴を埋め得る存在が、ユーティリティプレーヤーの牧原大成だ。2022年に64試合、23年には55試合、昨季も22試合で中堅を守った実績がある。外野陣の守備を安定させるという意味では、周東と牧原の「鷹スピードコンビ」がセンターラインを固める布陣も現実味を帯びてくる。

 打線の破壊力を優先し、左翼・吉田、中堅・鈴木、右翼・近藤(あるいは森下)で攻め抜くか。それとも、前回大会で攻守にわたる貢献を見せたラーズ・ヌートバーのような「センターの門番」を据え、守り勝つか。井端ジャパンの命運を握る外野布陣。指揮官が下す決断に、日本中の視線が集まる。

(Full-Count編集部)

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