「モンスター」から9年…川崎宗則が見た“逸材”の現在 戦力外を経験…中日で遂げた成長

「モンスターどころじゃない」再会した元同僚への衝撃
かつて抱いた驚愕は、時を経て確信に変わった。中日の春季キャンプで臨時コーチを務めた川崎宗則内野手(栃木ゴールデンブレーブス)が、元チームメートである上林誠知外野手との再会に目を細めた。9年前、愛着を込めて放った「ホークスはとんでもないモンスターを生み出してしまった」というフレーズが、さらに深みを増した言葉となって帰ってきた。
上林はソフトバンク時代の2017年、5月の西武戦で逆転満塁弾を含む5打点を挙げ、2日間で3本塁打10打点と大暴れ。その姿を見た川崎はその才能に驚きと称賛の言葉を贈った。それから9年、中日のユニホームを着て汗を流す後輩を目の当たりにし「もうモンスターどころじゃない。普通の人間じゃないですよ」と、独特の表現でその進化を称賛した。
上林は2013年ドラフト4位でソフトバンクに入団。2018年に22本塁打を放つなど、3度の2桁本塁打を記録した。しかし故障に苦しみ、2023年オフにソフトバンクから戦力外通告を受け、中日に加入。移籍2年目の昨季は134試合に出場し、打率.270、17本塁打、52打点、27盗塁と復活を遂げた。
歩んできた9年間の軌跡が動きに現れていた。川崎は「当時よりもパワーに確実性が備わって、動きがシンプルになっていました。考え方も、あの頃からしっかり積み上げてきているのが分かります」と分析。若さゆえの爆発力で圧倒していた“モンスター”の時期を経て、今や技術と精神を兼ね備えた姿へと変貌を遂げた。
練習中、ピンクのウェアに身を包んで快音を響かせていた上林。その姿を見た川崎は「若い時とまた違って熟練の味が出ている。顔も可愛いしね(笑)」と冗談を交えつつも、「見ていて本当に頼もしい。あの時はモンスターでしたが、今は『頼もしい』の一言に尽きます」と、中日での活躍に太鼓判を押した。
中日移籍3年目を迎え、主力選手として期待がかかる上林。先輩である川崎から贈られた「普通の人間じゃない」という最大級の褒め言葉は、復活を期す30歳にとって何よりの追い風となるはずだ。
(木村竜也 / Tatsuya Kimura)