中日の“改修”は126キロ助っ人の追い風に 専門家が指摘した「日本で成功するための鍵」

中日のミゲル・サノ【写真:加治屋友輝】
中日のミゲル・サノ【写真:加治屋友輝】

強い逆風をものともせずフリー打撃で外野芝生席に柵越え2発

 中日の戦い方が今年、大きく変わる。長年“投高打低”のチーム構成で、ロースコアの試合を得意としてきたが、本拠地バンテリンドームのフィールドが狭くなり、打ち合いの展開が増えると予想されている。その象徴的な存在と言えるのが、メジャー通算164本塁打を誇る新外国人ミゲル・サノー内野手である。専門家が沖縄・北谷キャンプを訪れ“診断”した。

 196センチ、126キロの巨漢はやはり迫力満点だ。サノーはツインズ時代に2015年から2021年まで7年連続2桁本塁打をマーク。特に2019年には自己最多の34発、2021年にも30発を量産した。2022年に左膝半月板を断裂してからは成績が低迷し、昨季はMLB球団に所属せず、故郷のドミニカ共和国のウィンターリーグに参加しただけなのが懸念されるところではある。

 10日、現役時代にヤクルト、日本ハム、阪神、横浜(現DeNA)の4球団で捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏が、北谷キャンプを視察し、サノーのフリー打撃にも目を凝らしていた。

 右の長距離砲は最初にマシン、続いて打撃投手を相手に打ち込み、強い逆風にさらされながらも、左翼と中堅左の外野芝生席に1発ずつ、計2発の柵越えを放った。その瞬間、観客席のファンからどよめきと拍手が湧き起こっていた。引っ張り一辺倒ではなく、外角球は丁寧に右翼方向へ運び、一方で左翼へ低く強いライナーを飛ばすシーンも多かった。

 野口氏はまず「この球場は私の現役時代から、右打者にとって逆風が強烈で、柵越えを放つのは容易ではありません。やはりサノーのパワーは相当なものです」と太鼓判を推した。「インコースの球に対し、右肘を巧くたたんで打っていたのも印象的でした。相手バッテリーは内角のボールゾーンを狙った球がストライクゾーンに来てしまった場合、ガツンとやられそうです」と“捕手目線”で指摘する。

本拠地に「ホームランウイング」設置、最深部は6メートルも短縮

「サノーに対しては内角のボール球を見せた上で、外角のボールになる変化球を振らせる攻めが基本線になると思います。サノー自身としては、その変化球をいかに追いかけず我慢できるかが、日本で成功するための鍵になるでしょう」と語った。

 今年はバンテリンドームに外野テラス席「ホームランウイング」が設置される。両翼100メートル・中堅122メートルに変更はないが、左中間と右中間の最深部までの距離は昨年までの116メートルから110メートルへ大幅短縮されることになる。

 中日打線は昨季、チーム打率.232と総得点403はいずれもリーグワースト。チーム本塁打83は、広島の71発を上回ったものの下から2番目の5位で、“貧打”のイメージに変わりはなかった。これが今年、“ホームランウイング効果”やサノーの加入などで激変するのかどうか。

 野口氏は「岡林(勇希外野手)を不動の1番、上林(誠知外野手)を攻撃的な2番に置き、細川(成也外野手)は3番、4・5番をサノーと来日2年目の(ジェイソン・)ボスラー(外野手)で担う打線が組めて、それが機能するようなら、今年の中日は面白いと思います」と見解を述べた。

 リーグ優勝から、落合博満監督時代の2011年を最後に14年間も遠ざかっている中日。昨季は就任1年目の井上一樹監督が、3年連続最下位に沈んでいたチームを4位に押し上げた。戦法が大きく変わるであろう今年、一気に上位進出といきたいところだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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