WBCでは指名打者に専念、投手登板は「やっぱり今の段階では難しい」
意外な決断だった。ドジャース・大谷翔平投手は13日(日本時間14日)、アリゾナ州グレンデールの球団施設でバッテリー組のキャンプ初日を迎えた。報道陣による12分間の囲み取材ではワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で登板しないことへの思いを打ち明けた。
「いろいろと話しながらという感じですね。チームの意向もありますし、あとは僕の感覚と折り合わせながら。去年も後半からしか投げてないですし、まずは1年間回って投げた後に、(WBCの)タイミングが来れば、僕も含めて(判断が)違ったんでしょうけど。やっぱり今の段階では難しいのかなと。(WBC登板なしは)納得はしています」
チームから求められたことに全力を尽くす――。これが二刀流・大谷だと思っていた。だが、2018年10月、2023年9月と右肘に2度のメス。もし3度目の手術となれば、投手を断念する可能性を示している。
今回のWBCは保険の問題が波紋を呼んでいる。過去に負傷歴のある選手はMLBと選手会が合意している保険会社の保険がおりず、出場を断念している。
「保険の兼ね合いのフィジカル(身体検査)をやって通っているので。そこは問題ないのかなと思います」
あくまで今回は“勇気ある撤退”ということか。デーブ・ロバーツ監督は「日本代表、ドジャース、全てを考えた結果だ。大きな手術を2度経験している。彼も人間だから。長いキャリアを考えての決断だ」と大谷の胸中を代弁した。
キャンプ初日にブルペン27球、ロバーツ監督「サイ・ヤング賞争いを期待している」
バッテリー組のキャンプ初日からブルペンで27球。「投手としての伸び代はまだまだある。私の期待を超えるレベルを彼自身は求めているはず。サイ・ヤング賞争いに入ることを期待している」というロバーツ監督が熱い視線を注ぐ中、スライダー、カーブ、ツーシーム、スプリット……。昨年の初ブルペンはフォーシーム、ツーシームと速球系の球種のみだったが、今年は初日から全球種を解禁した。WBCに登板しないにしても、シーズン開幕へ向けた仕上がりの早さは十分に伝わってきた。
「ワールドシリーズで勝つのも、WBCで勝つのも、MVPになるのも、1回なればいいものではないと思う。継続して初めて周りが評価してくれるのかなと思うので。1回よりも2回の方がいいですし、2回よりも3回の方がいいですし。そういう感じで積み重ねることが大事なのかなと思います」
「満足したら終わりだと思うので。現時点でそうは思ってないですし。逆に言えば、そう思った時に辞めればいいのかなと思います」
3年連続MVP、ワールドシリーズ2連覇、そして3月はWBC連覇へ力を注ぐ。全ての栄冠をかっさらう準備はできている。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)