菊池雄星が「心配ですね」…速く見えなかった157キロ 1次R突破後を見据え“温存”が必要な存在とは?

  • 新井宏昌(聞き手:宮脇広久) 2026.03.03
  • 侍ジャパン
オリックス戦で4回3失点と不安を残した菊池雄星【写真:加治屋友輝】オリックス戦で4回3失点と不安を残した菊池雄星【写真:加治屋友輝】

オリックス戦に先発、初回に連続適時打浴び一挙3失点

 雄星は大丈夫か──。野球日本代表「侍ジャパン」は2日、京セラドーム大阪で行われた「2026 ワールドベースボールクラシック 東京プール presented by ディップ 強化試合」のオリックス戦に3-4で敗れた。先発した菊池雄星投手(エンゼルス)が、初回にいきなり4安打を浴び3失点。4回46球を投げ、6安打3失点(自責点2)でマウンドを降りた。現役時代にNPB通算2038安打を放ち、現在MLB中継の解説などで活躍中の野球評論家・新井宏昌氏が分析する。

 つるべ打ちにされた。菊池は初回、先頭で左打ちの麦谷祐介外野手に内角のスライダーを“逆方向”の左前へ運ばれる。続く西川龍馬外野手を外角のスライダーで空振り三振に仕留めるも、3番の太田椋内野手には156キロを計測した初球のストレートが真ん中に入ったところを右前打され、一、三塁に。

 ここで4番の杉本裕太郎外野手にはカウント1-0から内角のスライダーを中前へ、続く森友哉捕手にも初球のスライダーを右前へ、連続適時打されてしまう。太田、杉本、森に3者連続でファーストストライクを打たれたあたりは、メジャー8年目を迎えた34歳のベテランらしくなかった。

 その後、西野貴弘内野手をゲッツーコースの三ゴロに仕留めながら、二塁手の牧秀悟内野手の一塁送球が逸れ(記録は失策)、もう1点追加され1イニング3失点となった。

 新井氏は「この日の菊池のストレートは、最速で157キロを計測していたものの、そこまで速く見えませんでした。力みがあったのか、ホームベース上でのキレや勢いが感じられませんでした。2回以降はカーブ、チェンジアップも駆使して無失点に抑えたとはいえ、心配ですね」と不安を隠さない。

 井端弘和監督は、この菊池に絶大な信頼を置いている。1年前の2025年1月に早くも「2025年の成績がどうなろうとも呼びたい」と今回のWBCへの出場を要請したほど。「投げるボールを見ていたら、怪我さえなければ必ず日本の力になってくれると思いました。ああいう“剛腕タイプ”は日本になかなかいません」と評している。WBC本番での投球内容は大会連覇の成否に関わりそうだ。

一塁への送球が逸れてタイムリーエラーとなった牧秀悟【写真:小林靖】一塁への送球が逸れてタイムリーエラーとなった牧秀悟【写真:小林靖】

初戦は由伸、2戦目は菊池、3戦目は菅野が予想される中…

 牧の“タイムリーエラー”も不安材料として残った。新井氏は「勝負強い打撃で侍ジャパン打線に欠かせない牧ですが、守備が素晴らしいという定評のある二塁手ではないと思います」と指摘する。

 WBC本番の1次ラウンドの先発投手は、6日に迫っている初戦のチャイニーズ・タイペイ戦に山本由伸投手(ドジャース)、7日の韓国戦に菊池、8日のオーストラリア戦に菅野智之投手(ロッキーズ)をあてると予想されている。4試合目の10日のチェコ戦は伊藤大海投手(日本ハム)か……。

新井氏がポイントにあげる伊藤大海の起用法【写真:加治屋友輝】新井氏がポイントにあげる伊藤大海の起用法【写真:加治屋友輝】

 これについて新井氏は「1次ラウンド最後のチェコ戦は、それまでに準々決勝進出が決まっていない状況であれば、伊藤を先発させる必要があるでしょうが、実際には既に進出を決めている可能性が高いと思います。であれば、伊藤はあえて先発させず、1次ラウンドでは短いイニングのリリーフにとどめておく方がいいのではないでしょうか」と見解を示す。

「伊藤は米国に舞台を移す準々決勝以降、試合途中から“第2先発”のような長いイニングを任せられる投手だと思います。“優勝するために必要となる戦力”でしょう」と1次ラウンドでの“無駄使い”には反対する立場だ。

 短期決戦で侍ジャパンの招集期間も短いWBCでは、誤算も付き物だ。井端監督は臨機応変の采配で、大会連覇へ導くことができるか。

RECOMMEND