母国チェコでは「誰も僕のことを知らない」 “大谷から三振”から3年…尽きぬ日本への感謝
チェコ代表のオンジェイ・サトリア(左)とウィリー・エスカラ【写真:宮脇広久】朗希から死球を受けたエスカラ「死球を受けることが目標ではないからね」
第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の1次ラウンドで、日本とも同じ「プールC」で戦うチェコ代表。その一員として、“朗希から死球を食らった男”と“大谷から三振を奪った右腕”が日本に戻ってきた。
2023年の前回WBCでも、東京ドームで行われた1次ラウンドで日本と対戦し、2-10で完敗したチェコ。しかし、日本のファンの心に残るシーンがいくつかあった。4回の攻撃で日本先発の佐々木朗希投手(現ドジャース)から162キロの剛速球を右膝に受けたウィリー・エスカラ外野手は、痛みに耐えながら一塁へ歩を進めた。東京ドームのスタンドから拍手が沸き起こると、全力疾走して見せ、“無事”をアピール。さらなる喝采を浴びた。これには、佐々木が2日後にチェコの宿舎を訪れ、お詫びに2袋分のお菓子を手渡し、ハグをかわすエピソードも付いた。
今回もチェコ代表に選出されたエスカラは、3月3日にサンマリンスタジアム宮崎で行われたオリックス2軍との強化試合に「8番・左翼」でスタメン出場。3打数無安打に終わったが、健在ぶりを示した。
「今回は野手の間にヒットを打って、ダイヤモンドを駆け回りたい。死球を受けることが目標ではないからね」とジョークを飛ばす。佐々木は今回、侍ジャパンには選出されなかったが、「残念だけれど、彼が昨年のポストシーズンで活躍し、腕にかなりの負担がかかったことは知っている。回復し、長いMLBシーズンに向けて準備する時間が必要だと思う」と思いやった。
3年前の一件で日本にも“エスカラファン”が生まれたようで、カタカナで「エスカラ」と刺繍されたグラブを見せながら、「これは前回WBCの時に知り合った日本のグラブ製作会社の経営者が作ってくれたもので、彼とはその後も連絡を取り合っている」と笑顔を浮かべる。
カタカナで「エスカラ」と刺繍されたグラブ【写真:宮脇広久】昨年は米独立リーグのミルウォーキー・ミルクメンでプレーしたが、実は今年の所属チームがまだ決まっていない。「今回のWBCでの目標は、もちろんチームの勝利で、個人的にも勝利に貢献することだけれど、その活躍を見てチャンスを与えてくれるチームが現れたら、うれしい」と胸の内を明かした。3年前にはなかった口ひげを生やしている理由は、「年相応(27歳)に見えるように」だそうだ。
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(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)