あと1球から…まさかの大逆転負け「何も考えられない」 歴史的1勝を逃したニカラグア、悲劇の中に見た光
逆転サヨナラ3ランを浴び、マウンドに座り込むニカラグア代表のアンヘル・オバンドー【写真:ロイター】前評判は圧倒的なオランダ有利も…球場の観客は9割がニカラグア支持
悲願のWBC初勝利まで、あと1ストライク——。米フロリダ州マイアミが舞台の2026 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)1次ラウンドのプールDで戦うニカラグアは、指先でかすかに触れた勝利を掴み取ることができず。一瞬で流れが変わってしまう野球の怖さと奥深さを、嫌というほど思い知らされた。
7日(日本時間8日)に行われたオランダ戦。現役メジャー選手がチームの主軸をなすオランダに対し、チームの約7割が国内リーグを主戦場とするニカラグアとあって、下馬評ではオランダを推す声が圧倒的に多かった。
だが、いざ試合が始まってみると、1万6000人を超える入場者の9割がニカラグア応援団。チームカラーの青と白で染まるスタンドは、ホームチームそのものだ。その熱気溢れる応援に応えたのが、先発マウンドに上がったエラズモ・ラミレス投手だった。
33歳左腕はメジャー通算43勝の経験を生かした力投を披露。3回1死満塁から死球で1点を献上するも追加点は許さず。5回を5安打1失点に締めくくると、スタンドに集まった1万人を超えるニカラグアファンに向かって「バモス! バモス!(いくぞ! いくぞ!)」と両手を広げてアピールしてみせた。
ソフトバンクのダウンズが攻守で活躍…8回には勝ち越し2ラン
ベテランの奮闘に打線も呼応する。5回に満塁から押し出し四球で同点に追いつくと、7回にも満塁の好機。ここは得点できずに終わったが、その裏にはソフトバンク所属のジーター・ダウンズ内野手が二塁で超美技。オランダの攻撃の芽を摘むなど、試合の流れは確実にニカラグアに傾いていた。
2ランを放ち、雄叫びをあげながらダイヤモンドを一周するジーター・ダウンズ【写真:ロイター】そして迎えた8回。2死から死球で勝ち越し走者が出たところで、打席を迎えたのがダウンズだ。豪快なスイングで捉えた打球は左中間フェンスを越える勝ち越し2ランに。雄叫びをあげながらダイヤモンドを一周すると、ベンチから飛び出したチームメートにもみくちゃにされた。勝利の女神の背中がおぼろげに見えてきた。
国を挙げて願うWBC初勝利、勝つために招聘したメジャー名将
ダウンズ、歴史的勝利を逃し「正直何も考えられない」
(佐藤直子 / Naoko Sato)
