あと1球で終了→わずか5球で“世紀の大逆転” 46歳で英雄が急逝…奇跡起こしたオランダに宿る「魂」
ニカラグア戦でサヨナラ3ランを放ったオジー・アルビーズを祝福するオランダナイン【写真:ロイター】ニカラグア戦で大逆転劇を演じたオランダ代表
米フロリダ州マイアミを舞台とする2026 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)1次ラウンドのプールD。大会2日目を迎えた7日(日本時間8日)、その第1試合は世紀の大逆転劇となった。涙を呑んだのはニカラグア。そして、勝利の雄叫びを挙げたのはオランダだった。
オランダが2点を追う9回2死。打席に立つセダン・ラファエレ外野手は2球で2ストライクに追い込まれたが、3球目の外角速球を捉えて中前に運んだ。すると、続くザンダー・ボガーツ内野手の打球は三塁線のギリギリ内側を転がるゴロに。このまま捕球→一塁送球アウトで試合終了、になるかと思った瞬間だ。
三塁ベースに当たった打球は大きく跳ね、捕球体勢に入った三塁手の頭上を飛び越えて、左翼フェアゾーンに転がったのだ。
球場に歓声とどよめきが響きわたる中、ボガーツは二塁まで進塁し、2死二、三塁。あと1ストライクで敗戦という絶体絶命の危機は、逆転勝利の絶好機へと転じた。
ここでニカラグアのダスティ・ベイカー監督が選んだのは満塁策ではなく、オジー・アルビーズ内野手との勝負だ。
アンヘル・オバンドー投手の初球は95マイル速球。吸い込まれるようにゾーン真ん中へ来た球を巧打者アルビーズが見逃すはずもなかった。豪快なスイングで捉えた打球は、大きな放物線を描きながら右翼スタンドへ。逆転サヨナラ3ラン。わずか5球でたぐり寄せた大逆転劇となった。
チーム全員がベンチから飛び出して歓喜に沸く様子を、高い高い空の上から微笑みながら見守っていたであろう人がいる。オランダ野球界のレジェンド、シドニー・デヨング氏だ。
WBCに2度出場したデヨング氏が今年1月に急逝
(佐藤直子 / Naoko Sato)
