イスラエル代表で唯一の“イスラエル生まれ” 写真に映るミサイルの影…“プロ1号”がWBCに託す願い
イスラエルで生まれ育ったアサフ・ローウェンガート【写真:佐藤直子】2020年東京五輪、2023&2026年WBC出場の外野手ローウェンガート
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)には2017年から3大会連続出場をしているイスラエル。8日(日本時間9日)にはニカラグアを5-0と封じ、今大会1勝目を飾ると同時に、次回大会への出場権を手に入れた。
イスラエル代表選手の大半はユダヤ系アメリカ人で、アメリカで生まれユダヤ文化の影響を受けて育ってきた。オリオールズで活躍する右腕ディーン・クレーマーもその1人。カリフォルニア生まれながら両親はイスラエル人であるため、ヘブライ語を話すことができ、イスラエルに住む親族も多い。
ユダヤ教が持つ歴史的背景もあり、世界各地にユダヤ系コミュニティが形成されているが、特にアメリカのコミュニティは規模が大きく、イスラエルに次ぐ2番目の大きさを誇るという。それだけに今回もイスラエル代表30選手のうち、実に29選手がユダヤ系アメリカ人。イスラエルで生まれ育ったのは、アサフ・ローウェンガート外野手の1人だけだ。
ローウェンガートは現在、フリーエージェントとして所属先を探しているが、米独立リーグのニューヨーク・ボールダーズなどでプレーした経験を持つイスラエル出身として初めてのプロ選手。次世代のために新たな道を切り拓く“パイオニア”でもある。
およそ1000万人が住むイスラエルでの野球人口は600人ほど。「小さいけど絆の強いコミュニティなんだ。Tボールをする子どもから、トップリーグでプレーする選手まで、みんなが仲間。僕が野球を始めた頃に比べたら、球場の数が増えたり、リーグやチームの数が増えたり、環境は圧倒的に改善されてきたよ」と説明する。
11歳のころ、テレビで観たMLBのプレーオフ「本当にカッコよくて」
体を動かすことが大好きだったローウェンガートは、幼い頃からバスケットボールをしたり、水泳をしたり、様々なスポーツに親しんできたが、11歳の秋、偶然テレビで観た「野球」というスポーツに興味を惹かれた。
「多分、10月だったんじゃないかと思うんだ。テレビで流れていたのは、MLBのプレーオフだったから。ルールは良く分からなかったけど、打って、投げて、守って、走って、真剣勝負をする選手たちが本当にカッコよくて。すぐ両親に『野球がしたい!』ってお願いしたんだ」
緊迫の中東情勢…現地に駆けつける予定だった両親は訪米を取りやめ
(佐藤直子 / Naoko Sato)
