大怪我で夢断たれるも…どん底で出会った転機 美人チアの“代名詞”「1位ポーズ」の原点

入院中に見つけた巨人ヴィーナスの求人
華やかな笑顔の裏には、左膝の前十字靭帯を断裂するという大怪我を乗り越えた壮絶な道のりがあった。巨人のチアリーディングチーム「VENUS(ヴィーナス)」で活躍し、現在は台湾プロ野球・中信兄弟の「Passion Sisters(パッションシスターズ)」で活動する菊池桃子さんは、“どん底”から這い上がり、球団チアとして輝きを放っている。
小さい頃から新体操に夢中で、夢は五輪の大舞台。しかし、大学2年生の時に左膝の前十字靭帯を断裂。「新体操としての夢を叶えるのは絶望的な状態でした」。入院生活を余儀なくされ、アスリートとしての道は諦めざるを得なかった。
入院生活で心の拠り所になっていたのが、SNSで流れてくる台湾やアメリカのチアリーディングチームの動画だった。ひときわ輝いて見えたのがヴィーナスのパフォーマンス。「同じ東京で同世代の子たちが頑張る姿にすごい惹かれて、自分も入りたいなって思いました」。求人を見つけると、迷いなく応募を決めた。
膝の怪我は完治まで1年間を要した。長いリハビリ生活の中でも、「ヴィーナスに絶対入る」という強い気持ちが自身を奮い立たせた。
代名詞の“1位ポーズ”誕生のきっかけ
約1年間に及ぶ長いリハビリ期間を得てヴィーナスのオーディションに挑戦。新体操の経験を生かして見事合格し、2020年に加入した。
菊池さんは柔らかい体を生かしたY字バランスを「1位のポーズ」と名付け、自らの代名詞にした。加入1年目は新型コロナウイルス感染拡大の影響で無観客試合が続き、ファンと直接交流する機会はほとんどなかった。そのため、活動の主軸を公式インスタグラムなどのSNSに移行。ファンの認知度も高くはなかったため、巨人への思いをどう伝えていくか悩んだという。そんな中でたどり着いたのが「新体操を生かすこと」だった
「自分がどんな人間なのか、そして巨人にどんな思いを持っているのかを伝えるには、ずっとやってきた新体操を生かしながら表現するのが1番だと思いました」
当初はY字バランスを披露することを考えていたが、それだけでは印象に残らないと感じた。そこでY字バランスの姿が数字の1に見えることに着目し、「巨人を優勝に導きたい」という思いを重ねて「1位のポーズ」と名付けてSNSで発信。ファンからは「『あ、出た!』とか、『いいね』という声をもらえるようになり、『あなたのそういうところが好き』」などコメントをもらう機会も増えていった。
入院中のベッドで見つけた1つの求人から始まった新たな挑戦。辛い期間を乗り越え、勝利の女神として、華やかな舞台に帰ってきた。
(岡部直樹 / Naoki Okabe)