開幕2日で電撃退団…“防御率1.00”も危機感 地球の裏側へ挑む32歳「狭い世界で生きてきた」

メキシカンリーグに移籍する井口和朋【写真:町田利衣】
メキシカンリーグに移籍する井口和朋【写真:町田利衣】

オイシックスは井口がメキシカンリーグに移籍するため退団することを発表

 オイシックス新潟は17日、今季から加入した井口和朋投手がメキシカンリーグのベラクルス・イーグルスに移籍するため16日付で退団したことを発表した。14日の2軍リーグ開幕からわずか2日での電撃退団となったが、当初から海外移籍を目指していた32歳。そこには「狭い世界で生きてきた」という強い思いがあった。

「海外には行きたいんですよ、今も」。遡ること2週間ほど前、教育リーグに参加中の井口は、そう胸の内を明かしていた。

 そんな感情が初めて芽生えたのは、東京農業大北海道オホーツクから2015年ドラフト3位で入団した日本ハムを戦力外となった2023年のオフだった。しかしこのときは12球団合同トライアウトを経てオリックスから育成で声がかかった。2024年開幕前に支配下登録され、同年32登板と存在感を示すも、昨季はわずか5登板で防御率9.64に終わり、自身2度目の戦力外通告を受けた。

 2軍では40試合で防御率1.00の好成績だったが、「監督が変わって1年目はすごく大事だなっていうのが自分の中であって、でも1軍にいったときに最初にうまく結果を残せなかった。だから自分の中でも今年で終わる可能性が結構高いだろうなっていうのは思っていました」。それでも「そこで野球を辞めようというのはなかったので、次に繋がることをずっと考えながらやっていました」と自身の道を模索していた。

「価値観が広がるとかそういうのもあると思うし、楽しみんなんです」

「一番は韓国、台湾を目指していたんですけど、うまく声がかからなかったっていうのもあって……」。そんな時、日本ハム時代の先輩でもある武田勝監督率いるオイシックスから声がかかった。その先の海外挑戦も見越して「先発をやりたいです」と希望も伝え、昨年12月9日に契約合意が発表されていた。

 そして今回、海外のチャンスがやってきた。何不自由ない日本球界で10年間過ごした右腕にとって、厳しい環境に飛び込むことになるが、野球だけではない未来を見据えている。

「今まで自分がすごく狭い野球界という世界で生きてきた中で、ほかの国に行って野球をやるとか仕事をするとか、結局は野球なんですけど、でもほかの世界に行ってみたい、見てみたいっていう気持ちですね。価値観が広がるとかそういうのもあると思うし、楽しみなんです」

 地球の裏側で、井口はまだまだ腕を振る。

(町田利衣 / Rie Machida)

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