DH制導入で変化した甲子園 ベンチ外から抜擢も…選手の本音「少し不安」「格段に変わった」

DHで出場した帝京・安藤丈二【写真:加治屋友輝】
DHで出場した帝京・安藤丈二【写真:加治屋友輝】

帝京は昨秋クリーンアップの主砲・安藤を「1番・DH」

 新ルールの大会が始まった。第98回選抜高校野球大会は19日、甲子園球場で開幕。開会式直後の第1試合は帝京(東京)が昨夏の甲子園で優勝した沖縄尚学(沖縄)を下し、2回戦に進出した。今大会から導入された指名打者(DH)制は両校とも採用。選手からは前向きに捉える声が複数挙がった。

 試合前のスターティングメンバー発表。後攻の帝京のアナウンスにスタンドがどよめいた。昨秋の公式戦で出場選手中トップタイの4本塁打を放って今大会注目打者の1人である安藤丈二内野手(3年)が「1番・指名打者」で起用されたのである。

 昨秋は3番か4番。チームで最も信頼できる打者を1番に持ってきた金田優哉監督は「一番多く打席が回ってくる。一番いい打者から並べました」と意図を説明。「DHが採用されて最初の大会の開幕戦なので」と記念すべき一戦に主砲を打撃に専念させた。

 初回。大会史上初めてDHの打者として打席に立った安藤は「甲子園は凄くいい雰囲気。そこで初めてのDHということで緊張しました」と振り返る。フルスイングしたが空振り三振。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場した日本代表「侍ジャパン」の「1番・指名打者」で活躍したドジャース・大谷翔平投手を引き合いに「先頭打者ホームランを自分も狙ったんですけど力み過ぎました」と苦笑いを浮かべた。

 昨秋までのように一塁守備に就くことがなくなったことには「グラウンドに立っている時と空気感が違うので、少し不安がある」という一方、大阪入り後の練習試合ではDHで出場しており「慣れてきた部分もあります」と手応えも感じている。DHについて「打席に集中できる。打撃に向き合う時間が多くなった。やりやすさは格段に違います」と好影響を指摘した。

DHで出場した沖縄尚学・上間悠智【写真:加治屋友輝】
DHで出場した沖縄尚学・上間悠智【写真:加治屋友輝】

沖縄尚学・上間は昨秋の公式戦出場なし「可能性が増える」

 3回の第2打席は遊ゴロ。6回の第3打席は痛烈な打球も相手の好守備に阻まれ三ゴロに終わった。0-1で迎えた8回は先頭で打席に入り、遊ゴロが失策を誘って出塁。一挙4点を奪う逆転の足がかりとなり「流れをつかめたのは良かった」と無安打ながらも胸をなで下ろした。

 沖縄尚学は「6番・DH」で上間悠智内野手(2年)が出場。昨秋はベンチにも入れなかったが、比嘉公也監督は「チームの中でも当て勘がいい」と抜てきした。7回の第3打席で痛烈な投直を放ったものの無安打。上間は「遊撃の守備に就きたい気持ちもある」としつつ「出場できる可能性が増えるのはいいと思いました」とグラウンドに立てたことを喜んだ。

 プロ注目左腕の沖縄尚学・末吉良丞投手は7回まで無失点も、8回に味方の2失策もあり4失点(自責点0)で途中降板。投球内容には不満を示したが、DHの導入で投球に専念できたことには「投球に集中できましたし、投げる分には楽だと思いました」と感想を口にした。

 おおむね、好評のスタートとなったDH。帝京・安藤は投手としての起用も見込まれるため、今後は「大谷ルール」も含めてスムーズな運用ができるかが注目される。

(尾辻剛 / Go Otsuji)

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