元PL学園の名将に「少しでも近づけるように」 孫が目指す偉大な存在…幼稚園からの“英才教育”

三重高戦に出場した佐野日大の主将を務める中村盛汰【写真:加治屋友輝】
三重高戦に出場した佐野日大の主将を務める中村盛汰【写真:加治屋友輝】

佐野日大・中村盛汰の父は元PL学園監督の中村順司氏

 偉大な祖父と歩んできた野球人生だ。佐野日大(栃木)の中村盛汰内野手(3年)は23日、第98回選抜高校野球大会の1回戦の三重高戦に「5番・三塁」で出場した。チームは敗れたが、自身は2安打と気を吐いた。背景には祖父・中村順司氏の教えがあった。

 中村は2回1死、2球目のスライダーを左前打。チーム初安打を放ってベンチを活気づけた。9回2死無走者でも最後まで諦めない。2球目のスライダーを今度は右前にはじき返し、2安打をマークした。「負けは負け。自分の結果は置いておいて、やっぱりチームが勝たなくちゃいけなかった。そこに関してはまだまだ足りなかったのかなと思います」。主将も務める中村は、悔しさをにじませた。

 祖父の順司氏はPL学園(大阪)の監督として、春夏通算58勝を挙げて6度の甲子園制覇。清原和博、桑田真澄の「KKコンビ」を育てるなど、数多くのプロ野球選手を輩出した。そんな偉大な祖父を前に「難しいかもしれないですけど、少しでも近づけるように頑張りたい」と前を向く。

 順司氏とは毎日電話をしている。試合前には「変化球を低めに集めてくるから、そこをどうにかゾーンを上げて打っていけ」とアドバイスを受け取った。祖父がスタンドで見守る中で、助言を生かして2安打。「打てたことはプラスです。自分がプレーしている姿を、おじいちゃんに見せられたのでよかった」と孫として“恩返し”できたことには安堵した。

 幼稚園時代から“英才教育”が続いている。バッティングセンターに連れていってもらった日は数えきれない。「普段は優しいんですが、野球になると厳しい。目の色が変わるんです」。思わず苦笑いしながら、そう説明した。

「やっぱりもう一回ここに戻ってきて、校歌を歌いたい。その校歌をおじいちゃんに聞かせたい」。中村にはもう一度、出場するチャンスがある。偉大な祖父に、もっと恩返ししたい。名将の孫として、佐野日大の主将として、このままでは終われない。夏の雪辱を誓い、聖地を後にした。

(岡部直樹 / Naoki Okabe)

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