あれよと決まったチェコ移籍…荻野「こんなに反響が」 宇草はビール工場勤務も予定…NPB去って果たす役目
チェコ親善アンバサダーに認定された荻野貴司(右)と宇草孔基【写真:佐藤直子】元ロッテの荻野貴司、元広島の宇草孔基が今季からチェコでプレー
「本当はひっそり行って、ひっそり野球をやろうと思っていたんですけど」
そう笑うのは、今季からチェコの野球リーグ、チェコ・エクストラリーガの強豪ドラツィ・ブルノでプレーする荻野貴司外野手だ。スーツ姿でチェコ共和国大使館を訪問したこの日は、チェコ親善アンバサダー認定式に出席。同じく今季から同リーグのコトラーシュカ・プラハに移籍する元広島の宇草孔基外野手とともに「チェコ共和国公認」の親善アンバサダーに任命された。
1月にチェコ移籍が発表されて以来、荻野を取り囲む世界は猛スピードで広がった。マルチン・クルチャル駐日チェコ共和国大使に挨拶をしたり、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)1次ラウンド出場のために来日したチェコ代表チームを訪ねたり。よもや思わぬ移籍先だったからか、友人や知人、ファンからも応援の声が止まらない。「まだチェコに行っていないのに、こんなに反響があるなんて、本当にビックリでしかないですよね」と目を丸くする。
宇草もまた、「野球のおかげで新たな世界とつながれた」と喜ぶ一人だ。昨季限りで、デビューから6年プレーした広島を戦力外となった。正直なところ、広島を離れると決まってからここまで、野球を続けるかどうか、続けるとしたらどこになるのか、え、チェコで野球ができる…!? と「頭の中がグルグルしたまま」だと笑う。
高校、大学では侍ジャパンに選ばれ、国際大会に出場したが、いずれも開催地は日本だった。「海外生活が初めて。野球の試合は週末だけなので、チームのオーナーが経営するレストランやビール工場でも働かせてもらう予定です」と話す顔は、期待半分、不安半分。ただ、それを逆手にとってみようという思いもある。
「広島にいる時はSNSでの発信は一切していませんでした。でも、チェコに行ったらYouTubeやインスタなどを使って、どんどん発信していこうと思います。良いことばかりじゃなくて、海外で初めて生活する不安だったり、失敗だったりも含め、自分の記録としてもいいと思うんですよね」
親善アンバサダー就任式を終えると早速、荻野も宇草も出来たばかりの「チェコ親善アンバサダー」の名刺を配りながら、宣伝大使としての活動をスタートさせた。日本から約9000キロ離れたチェコで、どんな野球を体験し、どんな文化や生活に触れるのか。二人の発信を心待ちにしたい。
(佐藤直子 / Naoko Sato)


