大谷はガーディアンズ戦で今季初勝利、投球内容に大きな変化があった
ドジャースの大谷翔平投手は3月31日(日本時間4月1日)、本拠地のガーディアンズ戦で6回6奪三振1安打無失点と好投し、今季初勝利を挙げた。シーズン初登板初勝利はエンゼルス時代の2018年以来8年ぶり。3月中に勝利投手になるのは自身初めてだ。4年連続のMVP受賞はもちろん、サイ・ヤング賞も期待されるシーズンで好発進した。
気温18度。ロサンゼルスで珍しく雨が降りしきる中でのマウンドで、投手・大谷の変幻自在の投球が光った。最速99.2マイル(約159.6キロ)のフォーシームを軸に、カーブ、スプリット……。投げる変化球が昨年から大きく変わったのだ。
この日、フォーシーム(32球、37%)の次に割合が大きかったのはカーブ(21球、24%)とスプリット(15球、17%)。2年ぶりに投手復帰した2025年はカーブ(8%)、スプリット(3.7%)と、いずれも頼りにしていなかった球種をシーズン初登板の武器とした。
「配球に関してはウィル(スミス)に任せて気味に投げてはいたので。それにしっかり応える形で全球種しっかり投げられたのは良かったかなと思います」。こう振り返ったが、昨季までとは全く別人の87球だった。
決して現状に満足しない。大谷には「同じことをやっていては次は通用しない」という飽くなき向上心がある。今季はテークバックの際に、左肩の上がった投球フォームにチェンジ。体を縦に使う意識が強まり、よりスピンのきいたフォーシームとなり、カーブとスプリットは空振りの取れる勝負球となった。
ロバーツ監督は「昨年と比べて変化球が格段に良くなっている。変化球の曲がり幅も小さくしたり大きくしたりと自在に操れるようになっている」と目を細めた。データ分析の進歩によって、メジャーの戦略は日々進化する。昨年まで通用していた変化球が、翌年には通用しないなんてこともザラにあるが、さすがにここまでの変身ぶりは、ライバル球団も頭になかったのではないか。ガーディアンズの主砲ホセ・ラミレスは「オオタニは他の誰とも違う。別格だ。何でもこなすことができる、まさに規格外のプレーヤーだ」と、ただただ舌を巻いていた。
マンシーが見る大谷の姿勢「彼が進化し続けていることは驚きではない」
試合後、同僚のマックス・マンシーが二刀流・大谷について興味深いことを話していた。
「みんなショウヘイの打撃について話すけど、数年間、一緒にいて感じるのは、彼は本当にピッチングを愛している。投球に関する全てのことに情熱を注いでいるし、メカニックの研究や打者への攻め方など、投手にかける集中力は凄まじい。だから彼が進化し続けていることは、僕にとっては全く驚きではない」
大谷がメジャーで成功を続ける理由は、やはり現状に満足しないからこそ。35歳のベテランもこう見ているようだ。試合後、ロバーツ監督も「ショウヘイは決して満足することはない。常に改善できる点を見つけようとしておいて、それが原動力になっている」と話した。昨季までと全く違う投球から野球人・大谷の本質を見た気がした。
レギュラーシーズンでは昨年8月27日のレッズ戦から自己最長の22回2/3連続無失点となった。だが、正直、その無失点記録にも個人的に驚きはなかった。なぜなら、今が間違いなくキャリア最高の投手・大谷だからだ。
「毎年毎年、良くなるように努力はしているので、そうなれるように努めています。シーズンが終わった後に『一番良かったな』と思えるシーズンなら、それは一番いいことなのかなと思います」
試合後、大谷はこう語った。他を圧倒するピッチングがまだまだ期待できそうだ。
(小谷真弥 / Masaya Kotani)