鷹25歳の秘める“モイネロ級”能力 先発転向でも球威健在…際立つ「51.3」の意味

ゾーン内で勝負し安定した投球を確立
2022年ドラフト5位でソフトバンクに入団した松本晴投手は、昨季はリリーフとして開幕を迎えたが、12試合連続無失点の結果を残し、5月から先発に転向した。先発では15試合に登板し5勝6敗、防御率3.41を記録。今季は28日の開幕2戦目で先発し、6回2失点で勝利投手となった。4年目左腕は先発ローテーション定着へ歩みを進めている。
先発としての昨季成績は被打率.286とやや高い一方、与四球率はリーグ平均を上回る水準で抑え、奪三振率9.21を記録した。これはリバン・モイネロ投手の9.27に匹敵する数値である。走者を背負いながらも三振でアウトを重ね、1イニング当たりの投球数を平均程度に収めた点が特徴である。
その背景にあるのがストライクゾーンへの積極的な投球だ。ストレートに加え、スライダーやカーブもゾーン内へ多く投じ、ストライクゾーン投球割合は51.3%に達した。昨季NPBで規定投球回に到達した投手の中で50%を超えたのは東克樹投手(DeNA)と伊藤大海投手(日本ハム)のみであり、この数値は際立つ。
追い込んでから変化球で仕留める投球術
ゾーン内で勝負する投球は被打率の高さという側面も伴うが、松本はゴロ打球を多く生み出すことで失点を防いだ。スライダーやカーブはいずれもリーグ平均を上回るゴロ割合を記録し、打たせて取る投球につながっている。結果として走者を背負っても大崩れしない安定感を維持した。
さらに特徴的なのがカウント別の投球内容である。2ストライク時には各球種の奪空振り率が大きく上昇し、リーグ平均との差も広がる。追い込むまではゾーン内で打たせ、追い込んでからは空振りを狙う球に切り替える。この投球の使い分けが、打たせて取るスタイルと高い奪三振率の両立を実現している。
昨季終盤は再びリリーフへ配置転換されたが、契約更改後には「CSや日本シリーズで先発する投手になりたい」と語った。今季はキャンプから「先発ローテーションで最初から最後まで投げ抜くこと」を目標に掲げ、開幕ローテ入りを果たした。背番号49が投手陣の軸としてシーズンを通して役割を担うかが注目される。
(「パ・リーグ インサイト」データスタジアム編集部)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)