試合中に指揮官が「すぐに帰れ!」 先発日に父が急逝…登板準備から不可解な“予兆”|球界群像 杉本正#23
中日などで活躍した杉本正氏【写真:山口真司】 元中日の杉本氏が明かす亡き父に捧げた白星
星野仙一監督体制1年目(1987年)の中日は、巨人にリーグ優勝を許し2位に終わった。その年に左腕エースとして活躍したのが杉本正氏(野球評論家)だ。キャリアハイの13勝を挙げたが、その中には悲しみを乗り越えての勝利も。7月7日の阪神戦(金沢)でマークした9勝目は亡き父に捧げる白星だった。
この年の中日は、ロッテ時代に3冠王を3度獲得した落合博満内野手がトレード移籍で加入。ドラフト1位の近藤真一投手は、プロ初登板となった8月9日の巨人戦(ナゴヤ球場)で、ノーヒット・ノーランの快挙を達成するなど注目を集めた。“燃える男”星野監督の一挙手一投足が、チームを、そして球界全体を活気づけていた。
杉本氏にとっても、いろいろなことがあった1年だった。偶然にも乱闘騒ぎが起きた試合に先発しており、星野監督が初退場となった5月2日の広島戦(広島)では1失点完投勝利。6月11日の巨人戦(熊本)では4回で降板した直後、2番手の宮下昌己投手がウォーレン・クロマティ外野手の背中に死球を当て、殴打されて大揉めとなった。
「(熊本の)巨人戦は、山倉(和博)さんに本塁打を打たれ、星野さんがすごく怒っていたのを覚えています。(宮下の一件は)その後でしたね」と杉本氏は振り返る。続けて当時を思い出しながら「6月30日に浜松の広島戦で……。父親が亡くなった時なんですけども……」と続けた。この日、先発して4回4失点でマウンドを降りてから、その事実を知ったという。
登板当日の悲報「あぐらをかいた状態で亡くなっていた」
星野監督から思わぬ提案「好きなだけ投げさせてやるわ」
(山口真司 / Shinji Yamaguchi)
球界群像〜杉本正編〜
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