投手専念で広がる選択肢…登板間隔は短くなる? 大谷翔平の起用法、球団幹部が語った「永遠のテーマ」

本拠地でのメッツ戦で今季2勝目を挙げた大谷翔平【写真:黒澤崇】本拠地でのメッツ戦で今季2勝目を挙げた大谷翔平【写真:黒澤崇】

大谷は5年ぶりの投手専念、6回10奪三振2安打1失点の好投を見せた

 あまりに完璧だった。ドジャースの大谷翔平投手は15日(日本時間16日)、本拠地でのメッツ戦で6回2安打1失点の好投。今季初の2桁10三振を奪い、今季2勝目を挙げた。投打のリアル二刀流を封印し、5年ぶりの投手専念となった一戦で、群を抜く投球を見せた。

 ピンチをピンチと感じさせなかった。1点差に迫られた5回1死二、三塁。大谷はギアを一気に上げた。通算149発のファムを100.3マイル(約161.4キロ)で空振り三振に仕留めると、続く1番・リンドーアにも真っ向勝負。この日最速100.4マイル(約161.6キロ)で押し切って左飛に仕留めた。

「1点取られた後はちょっと力は入れましたけど、全体的にはリラックスして投げられたので。そこは前回より進歩かなと思います」。余力十分といった風情で悠々とベンチへ戻った。

5年ぶりの投手専念となった一戦で、群を抜く投球を見せた大谷翔平【写真:黒澤崇】5年ぶりの投手専念となった一戦で、群を抜く投球を見せた大谷翔平【写真:黒澤崇】

 13日(同14日)のメッツ戦で右肩後ろに死球を受けてから2日後の登板。「まだ少し痛みが残っている。今夜は一つのことに集中させようと考えた」(デーブ・ロバーツ監督)。エンゼルス時代の2021年5月28日(同29日)のアスレチックス戦以来、5年ぶりの投手専念となった。大谷にとっては、驚きの戦略だったようだ。

「ちょっとびっくりしましたけど、チームとしてもいい戦略じゃないかなと思う。僕はデッドボールが当たって、ピッチングの方に専念してほしいというふうに言われていたので、そこにしっかり集中しようかなと思いました」

ロバーツ監督「合理的であれば検討するが、積極的に行うわけではない」

 投打同時出場時の攻守交代は駆け足。特に本拠地での試合の第1打席では、初回のマウンドを終えるとベンチ前でエルボーガードを装着するなど打者の準備をする。まるでF1のピット作業のような慌ただしさを見せるが、投手専念のこの日はゆっくりと悠々と自軍ベンチへ。味方の攻撃中、大谷は“違和感”を感じていたようだ。

「イニング間がやっぱ長く感じるので、変な感じはしましたけど、それでもしっかり集中できたので良かった。いつもより打者に対しての対策を取る時間は多かったので、そういう意味では有意義な時間が多かった」

 5回1死一、二塁からメレンデスのエンタイトル適時二塁打で失点。連続イニング自責点ゼロは32回2/3でストップした。それでも、2013年に岩隈久志(マリナーズ)、2022年に大谷自身が記録した31回2/3連続自責点ゼロを超えて日本人先発の新記録となった。そして、防御率0.50、WHIP0.72、被打率.113はいずれもリーグ1位。堂々の投手3冠だ。

 投手一本でつかんだ今季2勝目。注目されるのは、これからの二刀流の起用法だ。ドジャースのチーム編成を担うアンドリュー・フリードマン編成本部長は注目の発言をした。

「まずは4月を乗り切り、その後に改めて話し合う予定だ。ショウヘイはチームの勝利のために、できることは何でもしたいと考えてくれている。DHとしての出場と投手の登板という非常に重い負荷のバランスを取りながら、10月(ポストシーズン)までプレーし続けるための計画を常に考えている。そのバランスをどう保つか。球団にとっては永遠のテーマになる」

ドジャースのアンドリュー・フリードマン編成本部長【写真:荒川祐史ドジャースのアンドリュー・フリードマン編成本部長【写真:荒川祐史】

 ここまで大谷は中6日で先発ローテーションを回っているが、フリードマン編成本部長は中5日など登板間隔を短くすることも否定しなかった。さらに、大谷の登板日は昨季が54打数12安打の打率.222、4本塁打、12打点。今季も6打数1安打の打率.167、打点なしとなっている。コンディション次第では投手専念日を作る可能性も十分ある。

 それでも、二刀流・大谷は昨年のブルワーズとのリーグ優勝決定シリーズ第4戦で3本塁打&10奪三振の大活躍。たとえ豪快なアーチがなくても、大谷が打線にいるだけでライバル球団にとっては脅威になる。

 大谷を投手専念させることについて、ロバーツ監督は「合理的であれば検討するが、積極的に行うわけではない。ショウヘイはチーム最高の打者だから」と話したように、今後もあくまで投打同時出場が基本線か。ただ、この日投手専念で見せた95球は、あらゆる意味で可能性を広げたと言っていい。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

RECOMMEND

CATEGORY