大谷翔平にCY賞を獲らせる気はないのか? ド軍トップは5月再編を示唆も…二刀流の起用法に感じたジレンマ

ジャイアンツ戦で力投したドジャース・大谷翔平【写真:黒澤崇】ジャイアンツ戦で力投したドジャース・大谷翔平【写真:黒澤崇】

中6日の敵地・ジャイアンツ戦は6回91球7奪三振無失点で降板となった

 個人的にはちょっと寂しくも感じた。両軍無得点の7回裏。ドジャースは大谷翔平投手をあっさりマウンドから下ろした。直前の6回2死二、三塁のピンチでシュミットを迎えて、初球に100.2マイル(約161.3キロ)。4球目のスイーパーで空振り三振に仕留め、雄叫びを上げてガッツポーズを作ったばかり。勝負はここから――。そう見えたからこそ、6回91球降板にもどかしさが募った。

「最後は三振だけを狙っていきました。全体的に調子は良かったかなと思います。いいペースで来ていたので、7回までいければベストだったかなと思います」

 勝敗が決する前での降板。大谷の言葉の端々に悔しさがにじんだ。

大谷翔平は6回無失点の好投も勝ち星はつかなかった【写真:黒澤崇】大谷翔平は6回無失点の好投も勝ち星はつかなかった【写真:黒澤崇】

 投手で完全復活となる今季は、開幕5番手でスタート。その後は試合のない木曜日の前日、「水曜日の男」として中6日を空けて先発ローテーションを回っている。22日(日本時間23日)の敵地・ジャイアンツ戦では最速100.6マイル(約161.9キロ)を武器に、6回5安打無失点。7奪三振、無四球と抜群の内容だった。

 開幕から4試合連続でクオリティスタート(QS)を達成。防御率0.38、被打率.141はリーグ1位となった。だが、23日(同24日)に規定投球回に届かなくなるため、すぐにタイトル争いからは“脱落”。この中6日のペースで投げれば、規定投球回クリアへは綱渡り。サイ・ヤング賞の重要項目となるイニング数や奪三振数は、他の投手に比べて伸びにくくなるのは明らかだ。

 登板日の打撃成績は今季10打数1安打で、本塁打と打点はない。「登板日は投手に専念させないのか?」「1番から外さないのか?」。米メディアからは当然のようにロバーツ監督へ質問がぶつけられた。

6回のピンチを三振で切り抜けて雄叫びをあげた大谷翔平【写真:黒澤崇】6回のピンチを三振で切り抜けて雄叫びをあげた大谷翔平【写真:黒澤崇】

「まだ話し合いはしていない。注視すべき課題だと認識している。全ての可能性を検討すべきだ。代わりの選択肢が誰なのかという問題もある」

 大谷の今後の起用法に指揮官は言葉を濁す。現場のトップとして、まだ起用法を探っている段階なのだろう。

 ワールドシリーズ3連覇を目指すドジャースにとって、ポストシーズン進出は当たり前。大谷ら主力選手は、いかに10月のポストシーズンへ向けて、本調子に持っていくのが全てだ。そして、大谷は当然ながら、1番打者としての一面も持つ。4月のシーズン序盤であることを考えれば、チームとしては、まだ無理はさせられない。

 それでも、だ。二刀流の生みの親、栗山英樹氏は「翔平は宿題が難しければ難しいほど真価を発揮するタイプ」と話す。大谷はここまでの中6日登板については「最低限のところ」と表現。1番打者としてプレーしつつ、他球団のエース級投手のように中5日で回ることも決して不可能ではないだろう。

好投したがチームは敗戦。唇を噛み締める表情に悔しさをにじませた【写真:黒澤崇】好投したがチームは敗戦。唇を噛み締める表情に悔しさをにじませた【写真:黒澤崇】

「そこまで問題なく、健康で1試合1試合に出られている。(中6日は)一番最低限のところではありますけど、難しいところでもあるので。ただ、いいペースでは来ているのかなと思います」

 今後の二刀流起用法について、アンドリュー・フリードマン編成本部長は「4月を乗り切り、その後に改めて話し合う予定だ」と打ち明けているが、5月も木曜日の試合なしが4日のうち3日もある。二刀流・大谷の登板が休養日前日の水曜日になるのは火を見るよりも明らかで、ロバーツ監督も「休養日をうまく使ってスケジュールを組むというのは、まさに検討すべき計算の一部だ」と話している。

 何よりチームの勝利が大前提。大谷も「サイ・ヤング賞のためにプレーしていない」とも話している。それでも、投手・大谷のリミットを外すところを見てみたい。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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