開幕から好投を続けるロブレスキー、明かした球速“低下”のワケ
25歳のジャスティン・ロブレスキー投手は、今季開幕から6戦5勝と好スタートを切った。4日(日本時間5日)のカージナルス戦では6回無失点の好投で連敗ストップの立役者となり、防御率はMLB2位となる1.25。昨季までと何が変わったのか、本人が理由を明かした。
デビュー3年目の今季は、開幕4戦目のガーディアンズ戦でロングリリーフとして初登板。この試合は4回3失点だったが、以降は5試合に先発し5連勝を記録した。
快投を続ける左腕のデータを見てみると、今季はここまで平均球速が93.5マイル(約150.4キロ)と、昨年の96マイル(約154.4キロ)から遅くなっている。長いイニングを投げるために球速をセーブしているのか--。本人に問うと、意外な言葉が返ってきた。
「そうだと言いたんだけど、違うんだ。今はまだシーズン序盤だから……」
月別で見れば確かに、昨年4月の平均球速は93.1マイル(約149.8キロ)で、5月からは96マイルに上昇。シーズンをこなしながら徐々に球速が上がっていくのが恒例のパターンなのだという。「シーズンの終わりにかけて平均94~95マイルくらいまでいって、最高で97~98マイル。(10月の)プレーオフでは平均で99~100マイル出るようになるかもしれないね」と話す。これまでの最速は、過去にマイナーで記録した100マイル(約160.9キロ)だという。
「去年の4月もそれほど速くなかったけど、中盤から終盤にかけて速くなっていくのが僕のいつものパターン。あとはメカニクスを少し修正する必要があるかもしれないけど、意図的に遅くしているわけではなくて、自然とそうなっているんだ」
とはいえ、球速の遅いこの時期になぜ打者を抑え込めているのか。「カウントを先行させ、攻めの姿勢を崩さず、しっかりとしたプランを持って臨めていることが大きいと思います。特別な秘密があるわけではないよ。ただ先行逃げ切りというか、最初から打者を圧倒して不利な状況に追い込むことを意識しているんだ。今のところ、それが上手くいっている」と左腕は語る。
初球にストライクを奪う率(1st Pitch Strike%)は、昨季から3%上昇して65%に。配球面を見ると、昨年よりもシンカー、カットボールの割合を減らし、得意とするフォーシームとスライダーの合計割合が、昨年の53%から85%に大きく増えている。
「制球良く両サイドに投げ分けられていることが大きい。僕にとってフォーシームは常に最高のボールだし、スライダーも進化して、今ではフォーシームかスライダーのどちらかが決め球になっている」
その直球とスライダーの進化を導いているのが、昨年よりわずかに下がったアームアングルだ。「リリース位置が低く、エクステンションも非常に低いから、打者にとっては違った見え方になっている。タイミングを合わせるのが難しいんだと思う。自分はデリバリー(投球動作)も少し独特だし、クイック気味に投げるのも、打者を惑わせているのかもしれません」と自己分析する。
レジェンド左腕と同じ“珍しい”スパイク「ゲン担ぎみたいなところも」
セントルイスで5勝目を挙げた3日(同4日)の試合後、デーブ・ロバーツ監督は好投の左腕を称え、「クレイトン(カーショー)と同じスケッチャーズのスパイクを履いているしね(笑)」と、最後に付け加えた。本人も「そう思います。スケッチャーズに感謝ですね(笑)」と報道陣を笑わせた。
スケッチャーズのスパイクを履く選手は、球界を見渡しても珍しい。昨季まではカーショーがブランドのアイコン的存在だった。ロブレスキーは「ゲン担ぎの部分もあるかもしれない」と、着用の理由を明かす。
「去年、シーズンの初めはアディダスを履いていたんだけど、スケッチャーズからスパイクが送られてきたんだ。去年の序盤は苦戦していて、3Aにいた時、ある試合でアディダスを履いて登板したんだけど、結果が悪かった。ちょうどロッカーにスケッチャーズがあったので、『よし、試してみよう』と思って履いてみた。そうしたら良いピッチングができたから『よし! これを使い続けよう』ってなってね。去年ずっと使い続けて、今年契約を結んだんだ」
昨年は昇降格を繰り返すも、8月以降はメジャーに定着。新たなスパイクとともに、ロングリリーフもこなせるサウスポーとして活躍。ワールドチャンピオンの一員となった。
「これを履いて良い結果が出たから、やめる理由がないよ」
大谷、山本から“新球種”を勉強中
ロブレスキーにとって、ドジャースにはお手本となる投手が溢れている。昨年までは同じサウスポーのカーショーから多くを学び、今季は日本人投手から進化のきっかけを得ようとしている。
「ヨシ(山本)とはピッチングについてたくさん話をしている。今、スプリットを習得しようとしていて、コロラドでも何度か試した。彼がどう投げているか、ショウヘイがどう投げているかも聞いたんだ」
「ショウヘイとも何度か話をしたよ。彼とは、ベンチでじっくり話す時間を取るのが少し難しいんだけど、バスの中でショウヘイに、彼の哲学や試合での考え方を聞いたことがある」
多くの日本人投手が操るスプリット。メジャーではまだ扱う選手が少なく、習得できれば大きな武器になりうる。「日本では子どもの頃から真っ直ぐかスプリットかという感じだと思うけど、こっちでは真っ直ぐ、そしてチェンジアップかカーブだからね。だから彼らがどう考えているかを聞いているんだ」。
まだ3年目で25歳と、伸びしろはたっぷりある。ここからさらに球速が上昇し新球種も加わるとなれば、ますます今季の成績が楽しみになる。
(上野明洸 / Akihiro Ueno)